2020.11.06

【最短でリピーターを倍増させるCRMノウハウ】第5回 来訪促進と見込みフォローのCRM施策が最優先といわれるワケと鉄板シナリオ15選

アドブレイブ 中村隆嗣 執行役員

「新規獲得だけでは限界が見えてきた」「リピーター対策まで手が回っていない」など、このような悩みを抱えているEC事業者は非常に多いと思います。私は毎月、オンラインセミナーに参加いただいた方の意見をアンケートで目にしていますが、「リピーター対策を進めるにあたって何から手をつけたらよいか分からない」というお声が最も多いです。

そこで今回はリピーター対策で最も優先すべき施策についてお伝えします。

【第4回 パーソナライズドメールの効果を最大化させるための4つのポイントとその実現方法】


大前提としてデータ活用できるシステム環境は必須


EC市場の拡大にともなって、お客さまの受け取る情報量は飛躍的に増加しました。そして、受け取る情報量は年々増加し続けています。このような状況の中で、お客さまにあわせた情報を最適なタイミングでお届けすることは、手作業の運用では不可能です。つまり、データを活用した顧客の理解と施策実行、そしてレスポンスの計測、計測データを基にした施策の改善といった一連の流れを、費用対効果のあう形で推進できるシステム環境が大前提として必要になります。

充実したシステム環境がなければ、満足度の高い顧客体験を創り出し、LTVを向上させることはできません。こういったシステム環境は、ある程度安定して新規顧客を獲得できる状態になっていれば、売上規模を問わず必要となります。せっかく集客に投資しても、CRMに手が回っていない状況では、穴の空いたバケツに水を一生懸命に注ぐような状態になってしまいます。

このような失敗をしているEC事業は驚くほど多いです。改めて、ご自身のEC運営はどのような状況なのか見直してみてください。
 

来訪促進と見込みフォローが最優先と言われるワケ


CRMの取り組みでは、顧客ロイヤルティーの向上や、ファンの育成といったことが語られることが多いですが、真の目的はリピーター売り上げの最大化です。その目的を達成するためには、いくつもの取り組みを並行して行っていく必要があるのですが、どういった優先順位で考えていけばよいでしょうか。最も重要なことは、すぐ実行できて成果の出る施策には早々に取り掛かってしまうことです。

よくある失敗として、成果が出るまで時間がかかる取り組みを延々と準備しておきながら、途中で立ち消えとなってしまい、結局スタート出来ないというケースが多いです。そういったケースでは、スタートしてもやりっぱなしで、その後どんな成果が出たかを追えていないということも少なくありません。

ECの担当者は、複数の業務を兼任しているケースが大多数で、なかなか腰を据えてCRMの新規プロジェクトに取り組むことができない、という声が多く聞かれます。まずは、目に見える成果を出してCRMをさらに推進できるようにするために、来訪促進と見込み客フォローは最優先で実行してください。なぜなら、売り上げの方程式を考えると一目瞭然だからです。EC

サイトの売り上げは、アクセス数×転換率×客単価で成り立っています。リピーター売り上げを増やすためには、①一度買っていただいたお客さまの来訪促進でアクセス数を増やすこと②買う直前で離脱してしまった見込み客をフォローすること――の2つが、非常に高い確率で購入してもらうための手段なのです。転換率の大幅な改善が期待できます。

客単価はコントロールが難しいので、まずは来訪促進と見込み客フォローを優先することで、非常に効果的かつ効率的にリピーター売り上げを増やすことができます。



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