2020.10.29

【有名店長が楽天入社】小笠原航氏インタビュー「『地域活性化』『店舗と楽天の架け橋』が使命」

楽天 地域創生事業 ジェネラルマネージャー 小笠原航氏


自治体のウェブ物産展を支援


――楽天に入社してどんな仕事をしているのか?

楽天は「楽天市場」立ち上げ当時から、「インターネットを通じて日本を元気にしたい」という思いを掲げているが、実は自治体の課題解決を行う専門の部門も存在する。現在は、その地域創生事業に所属している。コロナ禍で自治体もさまざまな課題が表面化、引き合いも増えている。一番多いのは自治体のウェブ物産展をお手伝いする仕事だ。その地域のウェブ物産展を「楽天市場」の中で開催し、購入金額の一部を自治体が補助することで流通を促進し、地場の産業や事業者を支援する取り組みだ。楽天はこれまでに35自治体と包括連携協定を結び、全国の自治体とはさまざまな取り組みを行っており、関係性を築いてきた。今はコロナ禍なのでウェブ物産展の企画が増えている。

楽天は「ワークフロムホーム」を進めており、私も地元の北海道や楽天の本社がある東京などから、全国の自治体と基本的にはZoomで会議している。「ふっこう復袋」の経験もあるので細かいところまで提案できる。楽天の店舗も参加する会議に、私が楽天の社員としていると驚かれることもある。

――「ふっこう復袋」の成功が楽天入社の思いを後押ししたのか?

当時はそれどころじゃなかった。山ト小笠原商店の社長として、「このままでは会社がつぶれる」という危機感があった。新千歳空港で土産品店をやっているが、お客さんが来なくなり、売り上げがほとんどなくなった。土産品や特産品の生産者も、観光客がいなくなり、全国の催事がなくなり、大変な状況だった。その状況の中でできることを考え、「ふっこう復袋」を企画した。おかげさまで多くの方に購入していただき、累計で9万5000件以上の注文をいただくことができた。

当初は「楽天市場」全体のことを考える余裕はなかったが、「ふっこう復袋」が他の店舗を通じて全国に広がっていったのは大きな経験だった。改めて「楽天市場」には、地方の店舗が多いと感じた。「楽天ネーションズ」で講師を努めていたころに、楽天が全国で開催するイベントに登壇したり、その際に各地の有名店と酒の席で語り合ったりした。「楽天SOY」の受賞者で行く研修旅行でもたくさんの仲間ができた。そういった店舗同士のつながりが「ふっこう復袋」では生きた。多くの店舗から「ふっこう復袋」の名前を使っていいかと連絡をもらい、私も教えられることは全部伝えさせてもらった。

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