2020.10.26

街のパン屋のパンを取り置きできるアプリ「sacri」をローンチ 店舗向け月額無料キャンペーンも

sacriは10月26日、街のパン屋のパンを取り置きできるアプリ「sacri(サクリ)」の本格提供を開始した。購入者への利便性向上と、パン屋における課題解決のサポートの双方を目指し、出店店舗の募集も行っている。

「sacri」は、街のパン屋が常連の顧客へパンの焼き上がりをプッシュ通知でき、受け取った利用者がパンの事前決済と取り置きを行うことが可能なアプリ。通知からそのままアプリ上で事前決済と取り置きができ、利用者は好きな時間に店舗で商品を受け取ることが可能になる。店舗に出向くことなく取り置きできるので、働いている人や店舗から自宅が遠い人、店頭で並ぶことが困難な人など、来店時にパンが売り切れていて残念な思いをすることの多かった人も、気軽にお気に入りのパンを購入できるとしている。事前決済により、店舗では商品を受け取るだけで済むため、スムーズに購入を済ませることができるというメリットも持つ。


プッシュ通知でダイレクトに「焼き上がり」を顧客へ通知

同サービスは、2020年6月下旬から数店舗に限定しiOSアプリのβ版による実証実験を実施。出店店舗や利用者からの声をもとに多くの機能改修を行ったという。その結果、会員数は3000名を突破し、好評を得ているとし、新たにAndroid版をリリース。より多くの利用者へ「sacri」による体験を届けるため、関東圏のパン屋計15店舗の出店を以てサービスの正式版のローンチに至ったとしている。

本ローンチ時の現時点では、新たに出店した「BOUL’ANGE(ブール アンジュ) 池袋東武店」「ピーターパンJr. ペリエ千葉エキナカ店」「POINT ET LIGNE(ポワン エ リーニュ)」を加え、地域に根差すパン屋から全国的に展開するパン屋まで計15店舗が出店。全国を対象に出店者の募集を行っており、正式リリース記念として出店者向けの月額基本利用料無料キャンペーンを実施している。月額基本利用料無料キャンペーンでは、手数料が「sacri」を通して販売したパンの代金の10%のみとなるプランを提供。月額利用料無料に加え、顧客への告知ツール(チラシやPOPなど)もサービス利用開始時に無料で提供するとしている。


パン屋と一緒に作ったサービス

同社の大谷パブロ具史代表は、自身の幼少期の体験をもとに「地域のお店はその地域の文化財である」という考えを持ち、前職の博報堂勤務時には社内ベンチャーを立ち上げ「街の個性的なお店をローカルの人起点で紹介するWEBメディア『Stock.Shop』」の運営を経験。そこで数多くのパン屋に取材をする中で、パンが主食としてだけではなく、熱狂的ファンを持つ嗜好品としての側面を持つ稀有で魅力的な商材ということを肌で感じた一方、ベーカリー業界が抱える食品ロスや長時間労働などの根深い問題への課題意識を持ったという。そうした中で生じた新型コロナウィルスの猛威により、「感染リスク」という新たな課題に直面するパン屋に対し、ITの活用によりサポートしたいとの思いから。本サービスの提供を決意したとしている。


大谷パブロ具史代表

構想段階から、様々な店舗の協力と応援を得たという「sacri」は、街の個性ある店に人生観を突き動かされてきたという大谷代表から店舗への恩返しの思いも含めているとし、地域の店をサポートするための最善の形をこれからも模索し続けていくとしている。

サービスの正式提供に伴い大谷代表は、「私がこのサービスの着想を得たのは2019年8月頃でした。まさかその半年後に新型コロナウィルスという脅威が日本を襲うことなど、当然ながら1mmも予想もしていませんでした。世の中の当たり前がガラっと変わったことはもちろん、パン屋さんを取り巻く環境もガラっと変わる様子を目の当たりにしました。私の周りでも起業やサービス展開を諦める人が出てきました。でも、私はこんな時だからこそやるべきだと強く確信しました。皆が困難に立ち向かっていくためには笑顔が必要です。そんな皆が笑顔でいられるためには、日々の食卓を支え、彩る街のパン屋さんが笑顔でいなければならないと強く思っています。私たちはこの1年、パン屋さんやお客さまの声に耳を澄ませ、サービスに幾度となく反映させて磨いてきたことでやっとこのスタートラインに立てました。私たちsacriは黒子として、コロナ禍という未曾有の中での「変わらない、素敵な毎日」を応援していきます」とコメントした。


「sacri」
https://sacri.jp

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