2020.10.23

アートEC「TRiCERA.NET」、海外顧客が7割 SNSで作品やアーティスト情報を発信

井口泰CEO

TRiCERAは、現代アートを販売するグローバルプラットフォーム「TRiCERA.NET」を2019年3月から運営している。購入者の約7割は海外の顧客。SNSで、作品やアーティストの情報を発信することによりファンを獲得しており、リピーターが非常に多いという。

「創造力に国境はない」という理念の下、同ECサイトを通して、距離や言語の障壁を取り除き、アートを世界に届けている。
全購入者の内、約7割は海外の顧客だという。世界120カ国からアクセスがあり、日本以外ではアジアや米国からの購入が特に多いとしている。同サイトは7言語に対応している。

購入者には、特定のアーティストの作品を何度も繰り返し購入するコレクターも少なくないという。

インスタグラムやLINE、ワッツアップなどのSNSからサイトに流入するケースが多いとしている。インスタグラムではアーティストの作品とともにプロフィールを掲載している。日本国内向けにはLINEを活用して情報を発信を行っている。

同社はアーティストのインタビューや、アートの情報を掲載するオウンドメディア「ArtClip」も運営している。同メディアのリンクをECサイトやLINEに貼り、流入を図っている。コンテンツも充実させていっているという。


「TRiCERA.NET」のサイト

--{オークションハウスとも連携}--サイトに掲載している作品は現在、13,000点以上。新型コロナの影響により、リアルでの展示・販売の機会が大幅に減少したアーティストから、ECで作品を販売したいという要望が寄せられるケースが急増しているという。出品者には、国外のアーティストも多い。

作品の価格は数千円から数百万円まで幅広いため、少額で気軽に購入することもできる。最近の平均顧客単価は10万~25万円前後で、月によって変動が大きいという。絵画が中心だが、立体作品なども扱っている。

9月には、オークション「Shinwa Auction」と提携して作品を出品する取り組みも行った。こうした、富裕層とアーティストをつなぐ取り組みにも力を注いでいる。

同サイトに出品しているアーティスト同士が情報交換を行えるよう、チャットツールSlack上に、アーティストのコミュニティーも形成している。

「目指す理想の将来像は、アーティストごとに異なる。ワールドワイドに作品を販売したいという人もいれば、ギャラリーとつながりたいという人もいる。それぞれの理想を実現するため、アーティストのキャリア形成ができるプラットフォームにしていきたい」(井口泰CEO)と話している。


「TRiCERA.NET」
https://www.tricera.net/ja

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