2020.10.09

【コロナ正月元年】おせち商戦は大混戦に オイシックスは注文数1.5倍、楽天はトレンド発表

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【百貨店・ギフト】出足好調 「リモート」「個食」の需要高まる


ギフト、百貨店の各社が手掛けるおせちECは、販売初動の売り上げが順調に推移している。リンベルの9月度におけるおせちのEC売り上げは前年の3倍だった。近鉄百貨店は、受注初日の売り上げが前年比30%増と好調な出足となっている。帰省できず、家族と一緒に正月を過ごすことができない人がリモートで同じおせちを楽しむ「リモートおせち」などが今シーズンの特徴だ。あらかじめ一人分が取り分けられている個食のおせちにも各社は力を入れている。


出足1カ月で受注3倍


ギフト通販大手のリンベルでは、おせち通販が好調なスタートを切っている。9月1日から9月25日までの受注は、前年の3倍に増加した。受注は12月25日まで受け付ける。

国内各地の名産食品や、料亭と共同開発した「日本の極み」シリーズのおせちが好評だ。冷凍ではなく、冷蔵のおせちのため生産量に限界があり、前年の企画では完売していた。今年の売り上げは前年の2倍を計画し、生産量を増やした。今年は少人数向けの要望もあり、10月1日からは急きょ、税抜2万円(3人前)のおせちを追加した。

オンワードホールディングスは10月1日から、運営する食品通販サイト「オンワード・マルシェ」でおせちの通販企画を開始した。おせち通販企画は2回目。売り上げは前年実績の2倍に引き上げたい考えだ。

2021年のおせちは、家族がオンラインを介し、離れた場所でも楽しめる「リモートおせち」の需要が高まると見ている。料理があらかじめ1人分ずつ取り分けられている「個(こ)せち」のニーズも増えるとみて、商品ラインアップ拡充に乗り出している。

複数人用のおせちよりも、1人用のおせちの需要増加が予想されるが、離れて暮らす家族用に小さなサイズの商品を複数購入する可能性も高いため、顧客1人当たりの購入単価は高まるのではないかと見ている。


百貨店もECにシフト


東急百貨店も「リモートおせち」の需要を見据えている。2021年は帰省しにくい正月になるため、従来までの自家需要に加え、実家へ送って、同じおせちで新年を祝えるように品ぞろえを強化。個食のおせちや、ひと家族用(3~4人前)を中心にラインアップを拡充した。

販売は、店頭の「密」を避けるため、店頭分をデジタルへシフトしているという。「コスパの良いおせちを中心に動き出しは好調。受注数・受注金額ともに増加している」(業務推進室)。

三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、ECサイト「三越伊勢丹オンラインストア」のおせちECの売り上げ目標を前年比約25%増としている。展開するおせちの数は店頭を含め約380種類で、前年並み。今年のテーマは「Happy Sharing Osechi(ハッピーシェアリングおせち)」。幸せや思いを家族で分かち合える「つながる」おせちを紹介するとしている。

従来のラインアップに加え、コロナ禍での「巣ごもり正月」におすすめの「少人数おせちセレクション」、添加物やカロリーに配慮した「からだにやさしいおせち」などを展開。年末年始を自宅で過ごし、いつもより豪華な食事を楽しむニーズが見込まれることから、鍋や刺身、総菜メニューも一部をリニューアルしている。


近鉄は初日売上3割増


9月17日からECサイトで受注を開始した近鉄百貨店は、販売初日の売り上げが前年比30%増になった。10月1日に発表した9月の売り上げ速報によると、あべのハルカス近鉄本店のおせちはネット予約が増加し、順調に推移しているという。今年のおせちは、PB商品、個食・少人数向け、送料込み、広域配送に対応する商品を拡充。オードブルの展開も強化している。


「個食」おせちが急増(写真は1人用×3セット。近鉄百貨店)

小田急百貨店もEC経由の注文増を見込み、今期のおせち企画のEC売り上げは前年の2割増を目標としている。10月3日から予約販売を開始した。ネット予約限定で全品送料無料としている。メルマガ、ECサイトの会員に向けた周知や、検索順位の向上を図り、集客に向けた販促を行っている。

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