2026.09.18

【J-Beauty、ここからもう一度】第1回:K-Beautyのトレンドをつかむうまさ

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2025年7月 米国の美容系展示会「COSMOPROF North America」のK-Beautyエリア。個性豊かなブランドと、それを支える産業の厚みから、現在の勢いが伝わってくる(倉橋美佳氏が撮影)

この連載では、ヘッドビューティブランド「haru(ハル)」を展開するnijitoの代表取締役である倉橋美佳氏が、海外の美容展示会などを多く訪れている経験から、「J⁻Beauty」の発展の可能性について考える。第一回は、K-Beautyのトレンドをつかむうまさが、J⁻Beautyも取り入れられるかを解説する。

私が訪れた海外の美容展示会では、まず韓国ブランドが目に飛び込んでくる。中国ブランドも増えているが、現時点では韓国を追う印象だ。

さらに、米国ブランドでも、開発や製造を韓国のODM企業が支えていることがある。K-Beautyは、もはや韓国ブランドという枠だけでは捉えきれない。トレンドをつかみ、機能や品質を備え、使う人の気分まで上げる。それを、わかりやすい商品にするのがうまい。 

この強さは、ある日突然生まれたものではない。2000年代からK-POPや韓流ドラマが韓国への関心を広げ、その間に企業は商品力を磨いた。

大手ODM企業を軸に、中小・独立系ブランドが挑戦しやすい土台も生まれた。文化と産業を20年以上かけて育ててきた結果が、いまの存在感につながっている。

日本の化粧品も、かつて海外、特にアジアで強かった。高品質や安全性への信頼を積み重ね、2019年には中国の化粧品輸入先で韓国を抜き首位になった。研究や処方、繊細な使い心地は、今も強みだ。

ただ、その存在感を前面で支えてきたのは主に大手企業だった。日本にも原料、OEM、容器などに優れた中小企業は多い。けれど、その技術を新しいブランドにし、海外へ届けるまでの横のつながりは弱かったように思う。世界で知られていないから価値がないのではなく、その価値を見つけ、伝え、届ける仕組みがまだ十分ではないのだ。

いま、日本でも業界全体で考える動きが始まった。経済産業省は2026年6月、「J-Beauty」のブランド化や、輸出と海外での現地製造・販売を2033年までに2兆円規模へ伸ばす目標を示した。一社では抱えきれない海外規制や物流を、共通の仕組みで支えることも検討されている。大切な一歩だ。ただ、方針が示されたからといって、国のイメージはすぐには育たない。

私はECとマーケティングに長く携わってきた。良い商品を、より多くの人に伝えることが私の仕事の軸だ。J-Beautyの課題も、品質の有無ではなく、その価値を伝わる言葉に変え、世界へ届けることにあるのではないか。

韓国と同じ道を歩む必要はない。日本が持つ個々の強みを、世界で選ばれる力へどう変えていくのか。この連載では、海外の売場やECで見つけた変化を、伝え方と事業の次の一手に落とし込んでいきたい。

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