老舗タオルメーカー、丸中の2026年3月期のEC売上高は、約26億4000万円だった。EC売り上げは全体の約80%を占めており、2006年に自社ECサイトを開設してから、好調に推移している。
ECサイト開設以前は、市場に海外製の安価なタオルが増え、同社の売り上げは低迷していたという。
転機となったのは、一般的に”スポーツ用”とされていたサイズのタオルを”家庭用”として販売したことだ。
ECサイト開設当時、バスタオルより少し小さく、フェイスタオルより少し大きい、幅40センチ×長さ100センチのタオルを「ビッグフェイスタオル」として家庭用に販売したところ、「洗濯物がかさばらない」「バスタオルより手ごろなサイズで使いやすい、乾きやすい」という新たなニーズを捉えてヒットした。
「もともとは、受注減少によって工場で眠っていた、40センチ幅の織機を動かすためのアイデアだった」(谷美和子執行役員)と振り返る。
今年8月時点で、「ビッグフェイスタオル」の累計販売数は1000万枚を超えた。
現在は楽天市場やアマゾン、ヤフーショッピング、dショッピング、自社ECなど幅広く展開している。オンライン売上高の半数は楽天市場が占めている。
▲大阪泉州にある自社工場「タオルは目的買いより”ついで買い”の需要が圧倒的に高い。色々なモールに出店して広告を回し、顧客との接点を積極的に持つことが重要だ」(中道啓太副社長)と話す。
お試し価格として、最初の2枚は、定価の10%オフの1枚890円(税込)で販売している。高いリピート率を保持しているという。
サイズだけでなく、糸選びや織りの設計、カラーにもこだわっている。2017年からは、毛羽落ちを抑える独自の糸を使用し、実際に100回洗濯しても吸水率は上がっているそうだ。18色展開で、顧客が色を選ぶ楽しさも大切にしている。
「販売期間が長くなることで、FAQや口コミが充実してきたことも売り上げに寄与している。さらに当社は商品ページをしっかりと作り込むことも、顧客とのコミュニケーションの一環と考えている」(谷執行役員)と話した。