ECモールのデータ分析などを手掛けるNint(ニント)は9月25日、2020年末のEC市場を分析するウェビナー「2020年の生活様式変化による消費者ニーズをつかむ!年末商戦販売予測セミナー」を開催した。ウェビナーに登場した、ネットショップのコンサルティングを手掛けるいろはの竹内謙礼社長は、「巣ごもり消費の傾向から見て、年末のグルメ・ギフト商材のEC需要は倍増する。早めにECモールの広告枠を買っておくべきだ」と解説した。
ウェビナーでは、Nintが蓄積した過去2年分のECモールの、ジャンル別の売り上げやトレンドの変化をもとに、2020年末のEC市場の傾向について分析した。竹内氏とNintの事業責任者の西尾宗哲氏、輸入雑貨のECを手掛けるユウキ貿易の友田和宏社長の3人が、それぞれ独自の予測を披露した。
Nintのデータによると、ECモールのグルメジャンルでは、コロナによる外出自粛がスタートした2020年3月以降、前年同月を大幅に上回る売り上げを記録したという。4月の「食品」ジャンルの売り上げは前年同月比3.1倍、「スイーツ・お菓子」ジャンルは2.6倍に伸びたという。
Nintの西尾氏によると、外出自粛期間中にECモールに初めて出店したデパ地下グルメで有名な店舗は、出店からわずか1カ月後の月商が4000万円に達したとしている。
こうしたデータから、竹内氏は年末の食品EC市場の動向を、次のように分析した。
① 年末に帰省できないという、都市部のファミリー層のEC利用が増える
② 「おせち」「年越しそば」「クリスマス用の鳥の丸焼き」「歳暮用のギフト」は例年の倍以上売れる可能性がある
③ ECモールの歳暮商戦の広告枠は思い切って買うべきだ
④ 年末に差し掛かると、倒産などのネガティブなニュースが増える可能性がある。消費マインドが冷えないうちに、予約販売を開始すべきだ
⑤ ECモールの広告は、昨年末に売れていた企業のクリエイティブを見習うべき