2020.10.04

関通、冷凍冷蔵倉庫を拡張 ロボット対応も積極的に展開

関西主管センターに導入した自律走行ロボット「シリウス」

EC・通販物流支援を中心とした物流サービスを手掛ける関通は9月11日、大阪・東大阪市にある主管センターにおいて冷凍冷蔵倉庫の拡張工事が完了した。従来より約2倍の規模に拡張し、対応力を高めた。関通では冷蔵冷凍対応とともに、ロボットの導入による物流センター業務の効率化も図っており、同業他社との差別化を図っていく考えだ。

主管センターは5階建てで、延べ床面積は約9500平方メートル。倉庫の拡張により、冷凍冷蔵保管の床面積は約445平方メートルから約1000平方メートルとなった。

拡張工事と合わせて、冷凍冷蔵倉庫としての機能も強化した。鮮度を保ちながら、荷物の引き渡しが可能となるドッグシェルターを整備したほか、過冷却を防ぐ温度管理システムを導入した。

今後は、主管センターの1階を冷凍冷蔵専用フロアとして運用を開始した後、冷凍冷蔵倉庫への物流ロボットの導入による業務の効率化も検討していく。

関通が提供する冷凍冷蔵配送センターサービスは、ケースピッキングだけでなく、バラピッキングにも対応している。1000種類に及ぶ商品対応と、バラピッキング月間30万点以上の出荷実績があるという。

さまざまな販売形態にも対応しており、法人向けや個人向けの物流業務だけでなく、冷凍食品の定期便配送の実績も積んでいる。もちろん、食品EC業務にも対応可能となっている。

ロボットの導入も積極的に手掛けている。7月には兵庫・尼崎にある関西主管センターで、自律走行ロボット「Syrius(シリウス)」の稼働を開始している。

稼働開始にあたり、早稲田大学創造理工学部 経営システム工学科の吉本研究所が現場設計の協力に携わり、作業人員をおよそ半数にして約2.5倍の生産性を見込んでいる。

「シリウス」は自ら撮影を行った画像をAIによる解析で位置データを認識し、複数のロボットが倉庫内で直接通信を行い、動きを決める。指令を出す上位の情報システムが不要となり、既存倉庫にも導入しやすいのが特徴となっている。

「ロボット関係にはかなり力を入れている。ECはもっと生活の一部になってきて、マーケットはまだまだ大きくなるだろう。当社としては、ロボットだけでなく、ロボットと人によって生産性を上げていく」(広報担当)としている。



【ECソリューションマップ2020〈物流編〉】
101サービス収録のカオスマップ コロナに強い物流支援を記事紹介
https://netkeizai.com/articles/detail/1948

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