2020.10.06

【ECソリューションマップ2020「物流編」】 101サービス収録のカオスマップ コロナに強い物流支援を記事紹介

会員登録すると完全版のカオスマップを確認できる


コロナ禍で成長するEC事業者を下支えするEC物流業界をマクロ(業界分析&カオスマップ)&ミクロ(物流サービスの分析記事)でまとめた。101サービス収録のカオスマップは会員登録すると完全版が見られる(2ページ目に掲載)。カオスマップはECのウェブメディア「eコマースコンバージョンラボ(ecclab)」と共同でまとめた。業界分析ではEC物流業界でささやかれている“年末物流危機”の回避策に迫った。ヤマト運輸やスクロール360を始めとした大手から、有力中小企業、新興企業まで、コロナ禍に強みを発揮する13の物流サービスも詳細に取り上げている。


コロナで年末の物流がひっ迫か


新型コロナウイルス(コロナ)の感染が拡大したことで、非対面で買い物できるEC需要が急拡大した。ECを支える物流は注文数の急増により、ひっ迫しつつある。ある大手宅配会社の担当者は、「今年はコロナの影響で物量が増えており、久しぶりに年末配送が滞らないか注視している」と言葉を漏らした。


年末の物流がパンクする懸念も(写真はイメージ)

宅配会社の企業努力だけで年末物流危機を乗り越えることは難しい。荷物を出す側のEC事業者にもできることがあるはずだ。

EC事業者が取るべき対策は、「集中を避ける」ことに尽きるだろう。物量が増える時期の配送を避けるため、注文を前倒しで受けたり、宅配以外の受け取り方法を購入者に促したりすることで集中を避けることができる。

販売チャネルを分散し、物流サービスを持ったECモールでの販売を促進するという方法もある。ECモールの物流も年末にひっ迫する恐れはあるが、例年、膨大な物量をさばいている実績や知見があるため、中小企業が単独で宅配会社に任せるよりは安心感がある。


前倒し、拠点分散などが有効


物流コンサルタントの小橋重信氏は、「EC事業者は前倒しで受注をもらい、消費地に近い拠点に在庫を寄せて、配送を分散するという手もある。事業者によって条件が異なるので簡単ではないが」と話す。ポイントや特典を付けて、早めの注文を促したり、受け取り方法を分散させたりするような取り組みもできるだろう。

小橋氏は「大手宅配会社の積載率は5割を切っている。現在、宅配会社の垣根を超えた共同配送が始まっており、今後、より積載効率を高めることができれば、物流のキャパシティーは高まる。大手宅配会社以外でもさまざまなラストワンマイルの配送手段が台頭している。コロナにより、タクシーがフードデリバリーできる規制緩和も進んだ。コロナが物流を前進させることに期待したい」とも述べている。


倉庫の自動化もコロナで前進


倉庫内の状況はどうだろう。エスプールロジスティクスは倉庫の稼働時間を拡大し、急増する出荷処理に対応している。すでに自動梱包機を導入するなど省人化を進めているが、今後さらに省人化は進むという。コロナで倉庫の自動化は加速しそうだ。

楽天は2019年、ドローン・UGV(自動走行ロボット)事業部をコマースカンパニーの物流事業の中に異動させた。楽天の物流サービスの一環として、その他のソリューションと連携しやすいように組織体制も整えている。

ドローンやUGVが一般的な宅配に活用されるのは、少し先の話になりそうだ。ただ、楽天はその未来を現実的に見据えている。将来的にはドローンやUGVが「物流危機」回避の一助になるかもしれない。

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