2020.10.01

【やらせレビューの闇】 アマゾンで競合商品に☆1つ 福岡簡裁が罰金命令も、被害止まず


禁止規定も実質無力か


アマゾンジャパンは、“やらせレビュー”で信用棄損罪の判決を受けたR社の男が、引き続き継続して出品していることについて、「調査中」としている。アマゾンでは、出品者向けのガイドラインで、「競合他社に対して批判的なレビューを投稿すること」を明確に禁止している。ただ、特定の出品者によるレビューだという証拠がない限り、出品者アカウントを停止するといった措置は実施できないようだ。

アマゾン出品者のコンサルティングを行うアグザルファの比良益章社長は、「ガイドラインではやらせレビューを明確に禁止しているが、被害者が自ら不正を暴いて犯人を特定しなければいけないのは問題だ」と話す。

比良氏によると、現在、アマゾンはやらせレビュー対策をしているが、いたちごっこの状況が続いており、出品者がすべてのやらせレビューを正確に見抜くのは困難だという。購入者が不正なレビュー操作の可能性を見抜く方法としては、「星5のレビュー件数が極端に多い」「レビュー件数が星5と星1、2に二極化している」「商品の販売開始後、すぐに星5が多数つけられている」などに着目するのも有効だとしている。


モールも対策しているが“いたちごっこ”が続く

楽天では、「楽天市場」におけるユーザーレビューについて、「利害関係のある店舗に対してレビュー投稿することは、いかなる理由であっても禁止する」という規定を設けている。外部のソーシャルワーキングサイトやSNSで、レビュー投稿を依頼する店舗がいないかをモニタリングし、違反を見つけ次第、アカウントの停止の依頼や警告を行っているとしている。

比良氏は、「米国と違い、日本ではまだアマゾンが不正レビューに対して直接的に法的措置を行った事例はない。ただ、今後は取り締まりを強化し、法的措置も行っていくのではないか」とも話している。

過去に、同様の“やらせレビュー”の被害にあった別の健康食品メーカーの男性は、いまだに被害が続出していることについて、「自分のことのようで納得がいかない。プラットフォームにはしっかりと出品者を管理し、違反した場合は即刻アカウントを停止するなどしてほしい」と話している。

ECプラットフォームには、さらなる出品者管理の強化が求められているといえそうだ。

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