BJC買収による最大の相乗効果
――美容サロン向け卸を展開する「BJC」とのシナジーをどう見込んでいるか?BJCは美容室やエステなどのサロンを中心とした卸販売で強みを持つ。実際に、グループインして、その業績のポテンシャルと販売力に、われわれの想定をはるかに超える素晴らしいものを感じた。
市場では、当社とBJCに対して、EC領域での協業が期待されがちだが、最大のシナジーはそこではない。当社の強みであるウェブマーケティング力を駆使し、「サロンに行く前に、お客さまがすでにその商品を欲しくなっている状態」を作り出すことにある。
認知と需要をウェブ側で高めることにより、既にECと店頭でシェアを急拡大させている美容家電「Brighte」を、BJCの強力なサロン営業網にのせていく。BJC、約4万店舗の美容サロンに対して販売網を持っており、高効率な販売連鎖を起こしていくことができると考えている。
さらに、今後はサロンでより売りやすい共同開発商品を積極的に立ち上げていく。
LTV(顧客生涯価値)にコミットする技術力
――第4四半期に行った追加の投資は、御社のAIを使ったマーケティングシステム「SELL(セル)」を実店舗のPOSデータと連携させる仕組みの構築にあると聞いた。どのようなものか。「SELL」は、当社が持つ顧客の購買データや、顧客がどの媒体からどのようなクリエーティブを経由してCⅤに至ったのか、どのLP経由で購入したのか、顧客別の継続率、CRM施策などをAIに分析させて、CVRの最適化とLTVの最大化を図る仕組みだ。
これまでは、この「SELL」を使ったマーケティングの仕組みを、ECで実施してきた。
前期の第4四半期では、「SELL」を実店舗の販売データであるPOSデータと連携させ、地域別のウェブマーケティングと実店舗での購買の最適化と最大化を図るものだ。
「SELL」の仕組みの構築には、初期段階で、大量のデータを取得する必要がある。データの取得には、一見、非常に効率の悪い方法で投資することも必要だ。実際に「SELL」を開発した2018年当初も、数億円規模にのぼるデータ取得・検証コストをかけた。
ただ、長期的に見れば、今までどんな会社もひも付けられなかった、ウェブマーケティングと実店舗の購買を結びつけ、最適化できるようになる。
前期の売り上げは目標であった2倍以上の成長を達成したが、利益については「SELL」への先行投資もあり1.5倍の成長に留まった。しかし、2029年までに時価総額1兆円、売上高2,200億円という目標は何も変更はない。当社のさらなる成長に期待してほしい。