コロナ禍でリアル店舗が苦しむ中、リアル店舗を展開し、成果を上げているEC企業がある。デファクトスタンダードが運営する中古ブランド品の買い取り販売サービス「ブランディア」では、初めて買い取り専門店を出店し、コロナ禍でも計画を上回る実績を上げている。青山商事グループのWTWはリアル店舗開設後、EC売上高が前年比2倍増のペースで伸びている。EC事業者はネットの強みをリアル店舗生かすことができる。さらに、「発見と体験」を重視した新しい店舗モデルの「b8ta(ベータ)」が日本に進出し、話題を集めている。OMO(オンラインとオフラインの融合)を実践した店舗モデルがコロナ後の日本を席巻しそうだ。
<CASE1>「ブランディア」 コロナ禍に出店も計画上回る実績
BEENOSグループのデファクトスタンダードは今年6月、東京・恵比寿に同社初の買い取り専門店を開設した。宅配買い取りでは売りにくいハイブランド品の買い取りを強化するのが狙いだ。
「ブランディア恵比寿店」の店内イメージ「コロナ禍での出店だったが、計画を達成できている。『ブランディア』の認知度の高さが効いている。しかるべき場所に出せばお客さまが来てくれる」(BEENOS 直井聖太社長)と話す。
店舗ではオンラインでの来店予約システムや、査定員とビデオ通話で本人確認から査定、成約までできる機能も提供している。デジタルのノウハウを生かし、コロナ感染に不安を抱えている顧客にも、最小限の接触で対応できる仕組みを整えている。
「2018年3月に酒類の買い取り専門店を運営するJOYLAB(ジョイラボ)を子会社化していた。リアルの買い取り店舗の運営ノウハウを吸収していた」(同)と話す。リアル展開への布石は打っていたのだ。
7月には新宿にも店舗を開設した。今後はリアル店舗では買い取りだけでなく、「ブランディア」の販売商品を店舗に取り寄せ、試着して購入できるようにするサービスも提供する予定だ。