2020.09.10

【話題の新店に迫る】「b8ta」「ブランディア」「WTW」が描くコロナ後の店舗モデル 『体験型』『デジタル接客』など駆使

体験を重視する「b8ta」の店舗接客


<CASE3>「b8ta」

「売りに行かない接客」が体験高める


b8ta Japan(ベータジャパン)は8月1日、発見と体験をコンセプトにした日本初進出となる店舗を、新宿マルイ本館と有楽町電気ビルに開設した。グーグルやカインズが半個室の空間に出品したり、話題性の高い海外のガジェットや国内のD2Cブランドなどの多彩な商品が並んだり、注目度の高い店舗となっている。

「b8ta」では来店客への販売を主とした営業活動は行わない。スタッフを商品の知識や接客マナーに関してエキスパートに育てており、商品に対する質問には極力答えられるようにしている。


しっかりとした商品知識を基にスタッフが商品の魅力を伝える

最大の特徴は、来店客の購買行動データを出品企業に提供すること。購買行動データはダッシュボードで管理しているため、出品ブランドもタイムリーに情報を確認できる。

「売りに行かない接客がポイントだからこそ、顧客との距離感を大事にしている。ブランドは出品が決まってから約4週間後には出品できるが、そのうち2週間を商品知識の学習や従業員教育に充てている。販売を主目的としていないため、何が好転する材料になるのか学ぶことが大事。重要なのは売れたことではなく、なぜ買わなかったのかを分析することだ」(北川卓司カントリーマネージャー)と話す。

来店客は目当ての商品だけでなく、それ以外の商品を体験する機会が生まれる。その結果、潜在的な欲求に訴えかけることができる。実際に体験することは、ウェブ上で得られる情報よりも強く、購買喚起の力も強い。

新宿と有楽町の店舗では当初、ビジネスマンや大人の女性をターゲットにしていたが、予想に反して10~20代の若者やカップル、ファミリーが多く来店しているという。レア商品や「b8ta」でしか体験できない商品があるため、感度の高い消費者が来店しているようだ。まだ開設から間もないため、話題性で人が来ている可能性があり、3カ月もすれば本来のターゲット層の来店が増えると見ている。

「b8ta」の出品ブランドからは、「予想を上回る販売数が上がっている」「新たな顧客の開拓につながっている」という声が上がっている。出品したいブランドも多く、引き合いが多数寄せられている。

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事