2020.09.18

ABCマート、店舗力をECで生かすため、こだわったパートナー選びの基準とは?

【インタビュー】エービーシー・マート デジタル営業チーム チームマネージャー 橋ノ口祐介氏


シューズショップ「ABC-MART」を全国展開するエービーシー・マートは、店舗力を生かすことでEC事業を拡大し続けている。ECサイトで購入した商品の店舗受取り や、リアル店舗のスタッフがECの在庫を販売する仕組みなどを提供し、OMOを推進してきた。ECサイトの運営スタッフも皆、店舗出身者。店舗で磨いた接客力をECにも生かそうとしている。一方、スタッフはシステム領域の専門家ではないため、外部ベンダーとの協力体制が必要不可欠となる。システム導入時は、機能性はもちろん、ECチームの一員として動いてくれるベンダーであるかが決め手になるという。デジタル営業チーム チームマネージャー 橋ノ口祐介氏に、EC事業の強化の状況やレコメンドエンジンとサイト内検索エンジンをリプレイスした事例を中心にパートナー選びのポイントについても教えてもらった。


OMOを推進、店舗を活用したEC展開


――コロナ禍のECへの影響は?

緊急事態宣言後にオンラインストアでの注文が増えています。今年5月に開設した「ABC-MART GRAND STAGEオンラインストア」では、銀座や原宿などの大型店のみで取り扱っている限定品などの特別な商品を販売しており、そういった商品を求める顧客のニーズもカバーしています。ECは全社的に注目が高まっている販売チャネルなのでさらに強化していきます。

――EC事業はこれまでどのように強化してきましたか?

2008年から「ABC-MARTオンラインストア」としてシューズとアパレルを中心にネット販売を開始しました。ナショナルブランドやプライベートブランド、ライセンス系の商品まで幅広く品ぞろえを拡充しています。

OMOも強化しています。全国1000店以上の店舗網を活用し、ECで購入した商品を店舗で受け取ることができる店舗受取りサービスを提供しています。スタッフ専用のスマホアプリ「sNavi(エスナビ)」では、店頭商品の値札にあるバーコードを読み込むと自店の在庫状況は勿論、近隣店舗の在庫状況だけでなく、オンラインストアの在庫状況が分かるようになっています。オンラインストアに在庫がある商品は、送料無料でお客さまのご自宅に送る直送サービスも提供しています。リアル店舗でオンラインストアの在庫を活用し、機会損失を減らすことができています。

7月には顧客向けのスマホアプリをバージョンアップし、オンラインストアでの購入をスムーズにできる仕様に変更しました。旧バージョンでは、リアル店舗の顧客がポイントを貯めるための会員証としての機能がメインでしたが、オンラインストアで購入しやすいアプリに刷新し、ECへの導線を分かりやすくしました。


コンサルティングを期待、ナビプラスにリプレイス


――ECサイトのレコメンドエンジン(レコメンド)やサイト内検索システム(サーチ)もリプレイスしました。

2019年11月、「ABC-MARTオンラインストア」のデザインリニューアルを実施した際に、レコメンドとサーチを入れ替えました。この2つは入れ替え前も1つのベンダーが提供するサービスを利用していました。運用に関するレポートはほぼなく、現状はどうなのか、どうすればパフォーマンスが上がるのかなど分からない状況でした。当社としてもレコメンドやサーチに専属の人的リソースを割くのは難しいため、新しいベンダーには当社のECメンバーになったつもりで課題の抽出、提案、解決に動いてくれることを期待していました。

――導入したソリューションとその理由は?

数社を比較検討した結果、レコメンドとサーチのいずれもナビプラスのソリューションを導入しました。ナビプラスはシステムだけでなく、現状分析や改善提案、チューニングなどを実施するコンサルティングサービスも提供しており、それまで抱えていた課題の解決に期待が持てました。また、豊富な導入実績にも安心感を得ることができ、導入を決めました。「ABC-MART GRAND STAGEオンラインストア」にもナビプラスのレコメンドとサーチを導入しました。

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