2020.09.11

【最高の顧客体験を提供する「実感型」デジタルマーケティング】第4回「『実感型』マーケティングを実践するために必要なこと」

プラスアルファ・コンサルティング山崎雄司執行役員


デジタルシフトを味方に、オンラインでも実店舗同様の接客を


新型コロナウイルスの影響も後押しし、デジタルシフトは活発に進んでいます。顧客に関連したデータは、これまで以上に膨大なデータが集まることと思いますが、これまでにお伝えした通り、顧客群の集計にとどまらないでいただきたいと思います。顧客を理解するには、点で捉えるマーケティングでは不十分であることに気が付いていただくのがスタートラインになります。

ステップメールや、かご落ちのリマインドなど、各社の施策は似通り、コモディティー化しているのが現状です。どのような顧客を対象として、どのような内容を届けるのか、施策の中身にぜひこだわっていただきたい。施策そのものでの差別化が難しい分、いま改めて磨いていかなければならないことだと思います。従来の施策では通用しなくなってきていることに気が付くことができれば、マーケターの動き方はどんどんブラッシュアップできるはずです。

あふれるほどたくさんのデータがあることを、顧客を理解する要素が増えたと捉え、上手にデータを使う――これからのマーケティングを推し進める方にとって、欠かせない要素だと思っています。

書籍を通じてお伝えしたかった大きなテーマは、デジタルの世界でいかにオフラインの接客を実現するかということです。実店舗のスタッフは顧客が来店してから店を去るまで、顧客の動きに注目している。状況に応じて接客し、顧客の表情や動きを読み取りながら、商品をおすすめしたりしますよね。これをデジタルの世界で再現することが、現在求められていることだと思っています。

昨今、デジタルでもさまざまなデータをとることができるようになりました。いかにデータから顧客をイメージするか。それが次世代のマーケターに求められる資質だと思っています。

これまでの連載でもお話したとおり、「オンラインと実店舗の顧客データの統合をしたい」など、手段を目的にしてしまわず、なぜデータ統合が必要なのか、データ統合を行った先に、どのような顧客体験を作っていきたいのかなど、目的を明確に定めてから実行プランを構築していきましょう。

【終わり】


「カスタマーリングス」
https://www.pa-consul.co.jp/cr/



【著者プロフィール】

山崎雄司(やまざき・ゆうじ)氏

1981年生、東京都生まれ。日本大学経済学部卒、トランスコスモスに入社。電話やウェブによるマーケティング支援やCRMプロジェクトに従事。2011年、プラスアルファ・コンサルティングに入社。ITを駆使したデータ活用から、マーケティング現場の付加価値を向上させる各種システムの企画・推進のほか、新規事業の企画・開発や既存事業の企画推進、人材育成などを担当する。

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事