メッセージ配信のゴール指標をCVに置いた場合、アクセスデータを解析してよく出てくるのが、次のようなアイデアです。
これはある意味正しい対応です。ただ、正しいのはあくまで全体の平均で見た場合で、実際は、顧客によって、朝方にメールを見て夜に購入するという人もいますし、夜にメールを見て購入する顧客もいます。メールを開封する時間帯が毎回バラバラの顧客もいたりします。さまざまな行動をとる顧客が混在しているのです。
全員に対して同じ時間帯に配信するのではなく、顧客によって送るタイミングを変えるというのが、最適な対応といえます。しかしながら、手作業でそういった運用をすることは現実的に考えて不可能です。ではどうすればそういった理想的な配信を実現できるのでしょうか。
まずは大前提として、メールの配信時間帯を決める判断のためのデータをとることが必要です。
それを使って配信ルールを自動化するという手順も必要です。
顧客ごとの行動データを保持し、それを活用して配信をすることで、顧客ごとの配信時間の最適化が可能です。
顧客の行動とは、例えば①メールの開封やクリック②ページの閲覧③商品のカート投入や注文、といった一連のことです。
データは、“直近”のものであることが重要です。例えば、「ある顧客が朝にメールをよく見ていた」というデータが取れていたとしても、それが2年前のものであれば信頼性が低く、全く利用価値がありません。
活用できる“直近”のデータがない場合は、顧客が「開封・クリック・購入」を最もしやすい時間帯をいくつかのグループに分けてデータとして持っておくことです。その時間帯に配信すれば、それぞれのゴール指標を最大化しやすい時間帯に配信することが可能です。
上記のように、過去に何のアクションも起こしたことがないという顧客は、御社が持っている顧客リストの中にも比較的多いのではないでしょうか。もともとメールに反応しにくい顧客かもしれませんので、そこまで厳密に時間帯を考えなくても、それほど影響はありません。
それよりも、メールの件名や内容を最適化した方が、レスポンスを増やすうえで遥かに生産的と言えます。CRMを考えるうえでは、目指す指標への影響度の少ない「細かい部分」について考え過ぎることがないよう、“割り切る部分は割り切る”という判断をすることも重要です。
【著者プロフィール】
株式会社アドブレイブ
執行役員 中村隆嗣(なかむらたかつぐ)
2003年に株式会社北国からの贈り物に入社。自社サイトの立ち上げ期から参画しマーケティング責任者として月商3億円を超える成長まで導く。2014年株式会社メディックスに入社し、年商2500億規模の大手製薬会社や外資系アパレルブランド、アジアTOP3化粧品メーカーなど、メーカー直販ECの事業コンサルティングおよびCRMプロジェクトを手がける。コンサルティング先で多く見られたCRMの課題を解決すべく、2018年にアクションリンクを立ち上げ、2019年アドブレイブに執行役員としてジョインし現在に至る。
EC通販特化型CRMツール「アクションリンク」
http://actionlink.jp/
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