2020.09.04

【新幹線配送を本格化】JR東日本、列車による物流サービス拡大 地方産品のEC販売も強化

東日本旅客鉄道(JR東日本)は9月3日、「新幹線物流」など列車を活用した物流サービスを拡大すると発表した。地域連携を強化しながら、イベントなどにとどまらない定期的な食材などの輸送拡大に取り組む考え。グループ経営ビジョン「変革2027」のもと、「地方を豊かに」を合言葉に「JR東日本グループだからこそできる地方創生」の推進に取り組んでいくとし、ポスト・コロナ時代における事業拡大を図る。

列車を活用した物流サービスでは、列車の速達性、定時性といった強みを生かし、地域の魅力ある食材や地産品などをスピーディーに消費者に届ける。その土地ならではの食材などを鮮度良く運ぶことにより、付加価値の高い地産品を消費者に提供するとともに、地域事業者等の販路拡大と魅力ある売場づくりを実現するという。

JR東日本では、2017年度以降、各方面の新幹線の活用やJR他社との連携などを通じた新幹線物流トライアルに取り組んできた。今後は順次、新たな取り組みによるサービスの拡大を図るとし、地方都市間の新幹線物流と在来線の特急物流の実現、定期輸送の拡大、列車の速達性を生かせる商品への拡大によるグループ外の新規荷主の獲得、物流企業との連携による購入者の手元まで商品を届けるサービスの実現、JR東日本グループが運営するECモール「JRE MALL」との連携を通じたネットとリアルの融合を進める考えを示した。


物流のイメージ

イベントやネット販売を強化


地方都市間新幹線物流と在来線の特急物流の実現においては、JR東日本として初めての取り組みだという地方都市間の新幹線物流を活用した地域イベントとして、仙台-新函館北斗駅間を「はやぶさ95号」で輸送する「宮城・福島・山形銘品フェア」(9月19日~21日)を開催。地域のより細やかなニーズに対応することを目的とし、在来線の特急物流を活用した地域イベントとしては、伊豆急下田-東京間を「踊り子4号」で輸送する「 伊豆美味いもん市」(9月26日~28日)などを開催するとしている。その他、コロナ渦で困難に直面する地方自治体・地域事業者ととも、新幹線物流を活用した首都圏における産直市の開催など複数のイベントを行うとしている。

10月下旬からは、「JRE MALL」を通じたネットとリアルの融合を推進する具体的な取り組みとして、「ポケットマルシェ」との連携による農水産物の新たな販売方法を開始するという。「JRE MALL」と「ポケットマルシェ」のシステム連携により、農水産物の購入により「JRE POINT」が貯まる取り組みに加え、新幹線物流を活用し、購入した農水産物を鮮度の高い状態で高輪ゲートウェイ駅で生産者から受け取る企画を毎月開催するとしている。この取り組みの規模を拡大していくとともに、エキナカ常設店においても、新幹線物流を使い定期的に農水産物を購入できる仕組みを構築するとしている。


今後の展開イメージ

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