2020.09.04

アマガサ、「SHOPLIST」運営のクルーズグループを提訴 クルーズは事実無根と反訴の構え

預けていた商品が出荷拒否されたと主張


靴の製造・販売を行うアマガサは9月3日、クルーズとその子会社であるファッションECモール「SHOPLIST」運営のCROOZ SHOPLIST、EC支援のCROOZ EC Partnersに対して、損害賠償請求の訴えを東京地方裁判所に提起した。クルーズグループが相模原 SHOPLIST 物流センターに保管・管理しているアマガサの商品について、6月下旬以降出荷を拒否したことによる損害賠償金として約9400万円の支払いを求めるという。

アマガサは今回の提訴に先立ち、相模原 SHOPLIST 物流センターにおいて出荷を拒否されていた商品5万足超の即時引渡しを求め、8月4日に東京地方裁判所に動産引渡仮処分命令の申立を行った。その後、裁判所において和解が成立し、同物流センターで保管されていた5万足超について8月26日までに引渡しを受けた。ただ、春夏物につきましては、出荷時期を逸してしまったため、その逸失利益についての損害賠償を求めることにしたと説明している。


食い違う両社の見解


クルーズはアマガサが公表した「出荷を拒否する」という内容に「そのような事実はない」と反論。CROOZ EC Partnersはかねてよりアマガサから荷役、荷受をはじめとする物流サービス業務を請け負っており、アマガサの都合で全機材、全商品を他社に移管したい旨の申し出があった。アマガサとの契約において、一方的な移管の申し出は契約違反となり得るため、正常な取引の継続や、契約に基づきアマガサ製品を注文した顧客への出荷に応じること、さらにアマガサへ損害を与える考えはまったくないことを再三に渡り伝えてきたという。しかし、アマガサは話し合いに応じず、最終的には全機材、全商品を強行に移管させる仮処分の訴訟手続をとったと経緯を説明する。

CROOZ EC Partnersは、アマガサの契約違反や過去の通常取引に基づく未回収金額として合計約4億5000万円の請求をすでに行っており、訴訟提起の準備もおこなっているという。

さらに、アマガサはCROOZ EC Partnersだけでなく、クルーズやCROOZ SHOPLISTに対しても提起しているが、クルーズやCROOZ SHOPLISTはアマガサとは何ら契約や取引を行っておらず、全く無関係だと強調する。クルーズは「今回のアマガサの公表内容は青天の霹靂であり、誠に遺憾だ」と語る。クルーズやCROOZ SHOPLISTに対する訴訟提起については、アマガサに対して名誉毀損、業務妨害、または不当訴訟などを理由とした損害賠償請求訴訟の提起も視野に入れた準備にとりかかっているという。

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