2020.09.07

【インタビュー〈サーティワン アイスクリーム村上将氏〉】eギフト活用による新たなサブスクモデルを確立 さらに幅広く、強固なファンづくりに

B-R サーティワン アイスクリーム ナショナルオペレーション本部 営業管理室 村上将氏


サーティワン アイスクリームは、ギフティが手掛けるeギフトを活用してブランドの顧客ロイヤリティを高めるサービス「giftee Loyalty Platform(ギフティ ロイヤリティ プラットフォーム)」を導入している。サブスクリプション(サブスク)のeギフトや継続課金型のeギフトを生成し、既存顧客のさらなるファンづくりにつなげているという。B-R サーティワン アイスクリームのナショナルオペレーション本部 営業管理室 村上将氏に、新サービスを活用したサブスクサービスの手応えや今後の期待を聞いた。

より強固なファンづくりにつながる一手


――「giftee Loyalty Platform」を導入し、どのようなサービスを展開しているのか教えてほしい。

「giftee Loyalty Platform」を利用した企画として、「サーティワン サブスク」の提供を開始しました。現在、2つのサービスを展開しています。第1弾は、サブスクリプションサービスの「31日間毎日サーティワンチャレンジ」です。7月21日から運用しています。31日間、毎日1回、好きなアイスクリーム1個を店頭で交換できるチケットで、販売価格は5980円(非課税)です。毎日お使いいただくと、通常の販売価格で毎日アイスクリームを購入いただくよりも、最大で約6000円分お得になります。

第2弾は、継続課金型のサービスで、「今月のオススメフレーバー(Flavor of The Month)を楽しもう!サブスクリプション」と称しています。8月4日にスタートしました。お好みのアイスクリーム1個と交換できる、レギュラーシングルギフト券(eギフト)が毎月1枚届くサービスです。このeギフトご利用いただくと、アイスクリーム1つ当たりの価格が、通常販売価格(eギフトに対して) よりも31円割引になります。サービスの販売価格は毎月同359円で、毎月1日に自動更新としています。

――サービス展開の狙いや、現在の手応えは?

第1弾をローンチした動機は、サーティワン アイスクリームの社名の由来にもなっている、「31日間毎日違ったフレーバーのアイスクリームを楽しんでいただきたい」という思いをお客さまに提供するためです。サブスクサービスの展開により、この思いを体現することができると考えました。

ブランドファンによるSNSでの投稿や、各社のウェブメディアで取り上げられ、大変な反響をいただきました。当社のような(店頭販売が主の)業態でサブスクサービスを行うのはあまり見かけないので、興味を持っていただいているのではないかと思います。企画は、プレスリリース、ホームページ、会員向けアプリ、SNSなどを用いて周知しました。

第1弾は、SNSで「(毎日店舗に行き、31日間の)チャレンジしています」といった投稿をなさる方もいます。31日間楽しんでいただくことが当社の狙いなので、うれしく思っています。アイスクリームは従来、毎日店頭に通って食べる物ではないかもしれません。ただ、その中でもいかに、サーティワン アイスクリームのブランドをお客さまの意識に根付かせ、ハレの日の機会に利用していただくか。それは我々のテーマの一つです。今回のサービスを通じ、そういう機会につなげられたらいいなと思います。

第1弾は、お客さまの来店動機を作る仕組みです。収益の部分で即効性を狙うというよりは、お客さまの購買の意識づけになることを期待しています。初動は、30~40代女性に多く購入いただきました。お子さまなど、ご家族でご来店いただき、ご利用いただいているケースも多いのではないかと思います。お子さまがいらっしゃらないときはご自身で楽しむ方もいるのではないでしょうか。


第1弾の企画は顧客の来店動機づくりに役立てる

第2弾は、新しい味、今までチャレンジしてこなかった味のアイスクリームも楽しんでいただきたいという思いでスタートしました。第1弾よりも気軽に始めやすい販売価格なので、10~20代の若年層にも広く利用いただいています。

第1弾、第2弾のお客さまの反応を今後も計測しながら、今後の新たなサービス展開につなげていくつもりです。例えば第1弾だと、「(アイスクリームを)たくさん食べられるので魅力的だが、販売価格が高めなので購入しづらい」というお客さまの声もあります。そのようなお客さまに向けての、新たなプランがあってもいいのかもしれないと思っています。価格的に手ごろで、なおかつお客さまに楽しんでいただけるプランを今後検討していきます。


第2弾の企画は今まで味わったことのないフレーバーを楽しんでもらう狙い

――すぐに売り上げにつながる即効性を狙うのではなく、ファンづくりの一手に?

はい。「giftee Loyalty Platform」は、既存のお客さまの、ブランドへの好意の向上を目指すプログラムだと理解しています。長い目で見て、サーティワン アイスクリームに対しての好意を持っていただくことが目的です。例えば第1弾のサービスを利用したお客さまがこれまで以上のファンになり、サブスクに関係なく店舗に足を運んでいただけたら、今回の企画は大成功と言えると思っています。

また、第1弾も第2弾も既存のお客さまによるご利用が多いものの、従来とは異なるお客さまにもご利用いただいている印象があります。通常販売価格よりもお得に食べられることから、「普段はサーティワンのアイスクリームを食べる機会がなかったが、試してみようと思った」という声をいただいています。

より幅広く、強固なファンづくりにつながっていくこと期待しています。



サービスの導入は顧客との新たなタッチポイントづくりに有用だと感じている


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