2020.09.01

【記者コラム】ターゲットを絞る潔さ

nijitoが展開するシャンプーブランド「haru」

先日、nijitoという、シャンプーのEC企業を取材をしました。福岡に本社を置く会社です。

40代の働くママ世代をターゲットに絞って、シャンプーの通販事業を行っているそうです。

私は化粧品やサプリメントのネット広告を見るのが習慣になっていますが、nijitoの広告を見たことはありませんでした。

理由をnijitoの担当者に聞いてみたところ、ターゲットの40代女性が見る媒体にしか広告を出さないので、男性には表示されないのだと、言っていました。

私がネット上で目にする広告はごく一部で、私が目にしなくても、成長しているネット通販会社はたくさんあるのだと思いました。

「ターゲットを絞る」という決断は、できそうで意外とできない決断ではないでしょうか。

どんな商品でも、開発や設計段階で、ある程度顧客を想定して開発すると思います。

ところが、いざ市場に出してみると、想定とは違ったお客さまが購入するという現象は、よく耳にします。本来想定したお客様ではないけれど、売り上げが立つ分には困ることがないので、全年代に向けて広告展開してしまうという通販会社が多いそうです。

結果的に、商品のコンセプトにブレが生じてしまうこともあるそうです。

nijitoでは、ターゲットを絞り込んでいるからこそ、既存のお客さま向けに発信するメッセージが、強い共感を生んでいるということでした。

社長の鮫島貴子さん自身が、子育てと仕事に追われる生活をしていたので、そういった方々に届けたい商品と思いは、共感を生みやすいのだそうです。共感されるのも、同世代だからこそなのかもしれません。

企業としては、目先の売り上げを立てる方が、経営上必要なこともあるはずです。

ターゲットを絞るというのは、根気の勝負なのではないかと感じました。

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