2020.09.01

ヘアケア用品ECのnijito、会報誌作らないCRM戦略で存在感【注目のサブスク企業】

nijitoの鮫島貴子社長

ヘアケア用品のECを展開するnijito(ニジト)は、定期通販にこだわらない戦略を徹底し、存在感を示している。顧客が定期購入以外の買い方を自由に選べるような設計にしており、定期通販では当たり前になっている会報誌もあえて作っていないという。独自性の高いCRM施策が、結果的に定期利用者の定着につながっているようだ。

nijitoは2013年の設立。主力シャンプーのブランド「ハル」の「kurokami(クロカミ)スカルプ」は、40代前半のワーキングマザーをターゲットにした商品だ。

同社のマーケティングの特徴は、①ターゲットを限定する②定期にこだわらない③顧客の価値観に寄り添うCRMを行う――の3つだ。

時短を求める40代前半のママ世代をターゲットに設定。広告の出稿先を限定するなどの効果的なメディア戦略をとっている。

扱っている、オーガニックシャンプーや化粧品は、顧客の定期購入が期待できる商材だが、定期購入への引き上げを図る取り組みは、あえて行っていないという。ターゲット層には、「忙しくて商品を使いきれない」という人も多いため、「3点まとめ買い」や「都度買い」など、別の購入方法を提案するようにしている。その結果、逆に定期購入の割合が増えており、全顧客の半数以上が、定期顧客になっているという。

メールやLINEによる、人と人とのコミュニケーションにも重点を置いている。ターゲット層には、子育てや仕事に悩む人も多い。新型コロナの危機にも直面する、悩み多き顧客層に、ポエムのようなきれいな、レターをDMで送付することにより、ブランドへの共感を得ているのだという。

「ハル」ブランド立ち上げの背景には、出産・子育てと仕事を両立させた鮫島社長の原体験があったという。鮫島貴子社長は、「顧客のライフスタイルとともにブランドも進化させていく」と話している。業績については公開していないが、すでに年商100億円を射程圏内に入れる規模まで成長しているようだ。


「haru オンラインショップ」
https://www.haru-shop.jp/

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事