2020.08.21

フェリシモとセイノーHD、「幹線輸送+ギグワーク」で格安配送 LCC宅配による置き配サービス「OCCO」開始

フェリシモとセイノーホールディングス(HD)は8月19日、フェリシモ、セイノーHD子会社のココネット、電警のジョイントベンチャーであるLOCCOを通じて、誰もが参加できるLCC宅配ネットワークによる置き配サービス「OCCO」の提供を開始し、配送パートナー向けスマートフォンアプリを公開した。商標出願中だというLCCとは「Low-cost carrier」の略称。効率的な運用による低価格なサービスの提供により、ラストワンマイルにおける各種社会課題の解決を図る。



「OCCO」は、業界初の「幹線+ギグワーク」による置き配サービス。セイノーHDグループの持つ全国画一の幹線輸送網と、必要な時に必要な分だけ働くギグワーカーを中心とした柔軟なラストワンマイル配送パートナー網を組み合わせるというこれまでにないコンセプトにより、革新的な価格で荷物を届けることが可能としている。2019年末に行われたフェリシモ会員向けの東京都内での実証実験では、利用者の利便性向上と物流コストが10%以上削減されることが実証されたという。2020年4月より首都圏でサービスを開始しており、順次エリアの拡大を進めている。


LCC宅配スキーム図

フェリシモ・セイノーHD・ココネット・電警は、ジョイントベンチャーであるLOCCOを通じて、荷主・幹線輸送・ギグワーカーを含む配送パートナー・受け取り手のそれぞれが心地よく荷物を受け渡しできる環境の研究と実験を繰り返しながら、配送パートナー向けスマートフォンアプリの開発とサービス実証を進めてきたとし、このほどアプリの公開と合わせて、誰もが参加できるLCC宅配ネットワークによる置き配サービス「OCCO」の提供に至ったとしている。

9月1日には、「OCCO」を全国展開のLCC宅配ネットワークへと強化する施策として、40年以上にわたりフリーペーパーの配布によるプロモーションを専業としているリビングプロシードがセイノーHDグループへ参入する予定だという。リビングプロシードが擁する約1万名の配布員=ギグワーカーのネットワークを「OCCO」と融合することで、ラストワンマイルのオープン・パブリック・プラットフォーム構築を加速していくとしている。「OCCO」というサービスを、誰もが必要な時に、必要なだけ担える仕事にすることにより、宅配業界における人材のオープン化を進め、ドライバー不足などの業界の課題を解決していくとしている。

EC業界を中心とする宅配荷物の増加やドライバー不足を発端とした宅配クライシスによって、ラストワンマイル領域では宅配便のあり方の変容が進んでおり、宅配の受け取りでは置き配や宅配ロッカーなど非対面のサービスの提供が進んでいる。フェリシモらはサービスの開始にあたり、新型コロナウイルスの影響による生活様式の変化もあり、非対面の宅配受取が当たり前となりつつあるニューノーマル時代においては、これまで一つの選択肢に過ぎなかった置き配が、常時サービスとして提供されるパラダイムシフトがさらに加速することが予想されるとの考えを示した。

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