2020.08.20

【越境EC新サービスに迫る】BEENOS 直井社長「モール出品から、マーケ、物流まで『世界へのインフラ』作る」

BEENOS 直井聖太社長


インフルエンサー活用がポイント


――プロモーションやマーケティングの支援は行わないのか?

プロモーションの支援も行っている。6月1日にはBEENOSMarketing Asiaという海外マーケティング支援に特化した会社も設立した。プロモーションでは、インフルエンサーをどう活用するかがポイントだと見ている。他にもユーザーをターゲティングできる広告が増えており、商材に合った媒体や方法でのマーケティングを包括的に支援できる。リスティング広告やモール内広告も重要だ。

海外ではリアルの催事イベントがものすごく効果がある。アジアの国は日本ほど物があふれていないので、催事イベントにたくさんの人が集まりやすく、一気に認知が取れる。ネット広告よりも商品を手にとっていただける点も強い。催事イベントにソーシャルをかませるのが、最も効果的だ。

例えばモール出店から催事イベント、ソーシャルでの展開など数百万円レベルでできてしまう。商品が良ければこの取り組みで、出店費用は回収できる。もし商品が売れなければその国での販売は難しいと判断するべきかもしれない。早めの判断ができればコストもリスクも減らせる。百貨店や大通り、日系の店舗など催事販売の提携パートナーは多い。

海外でもサンプル商品を提供し、お客さまに商品を手にとってもらうことが効果的だ。催事イベント以外にも台湾向けには「BAKUMO」というサンプル販売できるウェブサイトも構築している。


マーケティングプラットフォーム 「BAKUMO」の仕組み


エンタメ、リユースで強み発揮


――特に強化している商品カテゴリーはあるのか?

越境ECにおいてあらゆる商品カテゴリーを支援しているが、エンタメ・コンテンツ業界は特に力を入れている。アイドルグループの越境ECを当社が支援したことで流通額が3倍くらいに伸びたケースもある。

昨年11月、イベント会場や飲食店などで並ばずに商品が買えるSaaS型モバイルオーダー・決済サービス「narabee(ナラビ―)」をリリースした。コロナでイベントの中止が相次ぎ、その影響を受けたが、徐々にサービスを導入したいというケースが増えてきた。エンタメ業界ではイベントのチケットだけでは収益化が難しく、物販が重要になる。特に今後はイベントをどう再開していくかがテーマになる。そんな中で「narabee」が重宝されている。

「narabee」は越境ECとは直接的に関係はないが、コンテンツを持っている企業には、国内外のECをワンストップで支援できるだきるだけでなく、イベントコマースまで支援することができる。エンタメ・コンテンツ業界の企業はわれわれと組まない手はないというところまで持っていきたい。


イベント会場や飲食店などで並ばずに商品が買えるSaaS型モバイルオーダー・決済サービス「narabee」

「ブランディア」で展開しているリユースもグローバルECプラットフォームとつなげていきたい。ブランド品はグローバルブランドが多く、買いたい人たちの幅が広がれば広がるほど販売価格も上がっていくのが経済合理性にかなっている。

エンタメとリユースはクロスボーダー向きのカテゴリーだと考えている。エンタメは国境を超えて認知度が広がりやすく、ファンが世界中で増えていく。リユースは1点ものなので、売る仕組みができれば越境しやすい商材だ。ここは強みを発揮していきたい。

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