2020.08.20

【越境EC新サービスに迫る】BEENOS 直井社長「モール出品から、マーケ、物流まで『世界へのインフラ』作る」

BEENOS 直井聖太社長


新しいグローバルECのスタンダード作る


――具体的にどのような越境ECサービスを展開していくのか?

国内外のECをワンストップで支援する「グローバルECプラットフォーム」を構築する。プラットフォームを共通化し、安価に使える形にして、積極的にプロモーションなどに投資できる環境を作る。BEENOSグループとつながることで海外のマーケットプレイスに出品できたり、越境ECサイトの構築も支援する。マーケットプレイスはすでに連携している「Shopee」だけでなく、中国系やアメリカ系のマーケットプレイスとも連携する予定だ。越境ECにかかるオペレーションや物流なども気にしなくていい。当社が「Buyee」で構築してきたサービスをすべて活用できるようにする。当社とつながっていただくことで、ECがすべて完結するようにしたい。これは海外向けだけでなく、国内向けも同様だ。

コロナ前とコロナ後でECのスタンダードを変えていきたいと考えている。コロナ前はECというと楽天やAmazonなど出店しようか、自社サイト作ろうかと国内だけの議論で終わっていた。越境ECというと国内向けとは別物として考えており、しかも対象エリアは中国くらいしか見てなかった。「越境EC=Tモール出店」と考え、支援会社に丸投げしている状態だった。

われわれが作りたいスタンダードは、ECというとグローバルECが前提だということ。これはそんな難しいことではない。アメリカ企業は当たり前にやっていることだ。ECの仕組みを考えるときにグローバル展開が当たり前となり、そのための費用が特段必要だとか、中華系の企業と話さないといけないとか、リーガルを考えないといけないとか、そういうの煩雑なことがいらない世界を作っていきたい。


BEENOS 直井聖太社長

――出品支援で連携するマーケットプレイスには中国の「Tモール」やアメリカの「eBay」、投資先である「トコペディア」なども入るのか?

リリース前なので明確にはお答えできないが、各国で有名なECプラットフォームとも連携する予定だ。当社は越境ECの流通を伸ばし、海外投資も展開してきたことで海外のマーケットプレイスから引き合いをもらえたり、信頼してもらえている。中立的な立場を貫き通しているので、どのマーケットプレイスとも関係性を構築できる。「トコペディア」などの投資先とも将来的にはつなぎ込んでいく計画だが、日本企業が出ていくべきタイミング、進出国のマーケットの状況などを見て、ベストなタイミングでつなぐことができればいいかなと考えている。クライアントニーズに合わせて最速でサービスを構築するのがモットーだ。「Shopee」との連携も1カ月半でサービスインすることができ、日本企業らしからぬスピード感だと驚かれた。


ECの理解度が差別化要因に


――越境ECのさまざまなサービスがあるが、それらとの違いは?

例えば越境ECで活用できるカートシステムがある。ECがノーコードで簡単に作れることは意味があることだし、それだけで売れる企業はそれが最もコストがかからないやり方だ。しかし、われわれもECを長年やってきて、ECサイトがあればECがうまくいくわけではないことを理解している。物流をどうするか、在庫をどう管理するか、などさまざまな大変さがある。越境ECになるとなおさらだ。国内だけでなく国外でも売るための仕組みをプラットフォーム化して利用していただけるようにすることで、裏方のことは何も考えなくていいですという環境をわれわれなら作れる。日本企業には商品やブランドの認知をどう高めるか、海外で売るための商品をどう作るかというだけ考えていただきたい。

もちろんすべてを当社のサービスで完結させる必要はない。現状でうまく行っている取り組みは無理に変える必要はない。部分的にサービスを利用してもらうこともできる。


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