2020.08.18

ヤマト運輸、ニューノーマル時代のEC商品の店舗受取サービスを11月開始 英・Doddle社と提携、賛同店舗も募集

ヤマトホールディングス(YHD)とヤマト運輸は8月17日、「デジタル化された受取・返品システム」を提供する英国のDoddle Parcel Services Ltd(Doddle社)と提携し、ニューノーマル時代の新たなEC商品受け取りサービスを11月から開始すると発表した。サービスの開始にあたり、EC荷物の受け取り拠点となるドラッグストアやスーパーマーケットなどの店舗の募集も開始した。

今回のサービスにより、EC購入者は生活導線上の受け取り拠点が拡大し、気軽で簡単に荷物を受け取ることが可能となる。ECサイトで商品注文後に携帯電話に送信される二次元バーコードを店舗で提示するだけで、スムーズに荷物を受け取ることができる。


サービスのフロー図

導入店舗は「Click & Collectシステム」の専用端末を設置するだけで、早期、かつ簡単にサービス提供を開始でき、新たな顧客との接点を構築できる。利用者に商品を受け取る店舗で利用できる割引クーポンを配布し、荷物の受け取り時に買い物を促すことも可能。Doddle社のシステムにはEC商品の保管場所を管理する機能が完備されているため、新たなシステム投資は必要ないという。

ECエコシステム構築の一環


YHDは1月23日、中長期のグランドデザインである「YAMATO NEXT100」を発表し、ECエコシステムの構築に取り組んでいる。6月24日にはEC事業者向けの新配送商品「EAZY」の発売を開始し、ECユーザーの利便性向上に向けた取り組みを進めている。

Doddle社は、EC購入商品の受け取り・返品システムのグローバルリーダーで、各国の物流・EC事業者にこのデジタルテクノロジーを提供している。英国、オーストラリア、米国で事業を展開しており、Australia Post(オーストラリア郵便公社)とUnited States Postal Service(アメリカ合衆国郵便公社)と提携。世界有数のリテール事業者のEコマースシステムにも導入され、EC購入品の配送と返品をサポートしている。

両社は今年3月、日本においてデジタル化された利便性の高い新しい受け取りサービスを提供することで合意した。11月より「EAZY」導入事業者や「特定EC事業者」の受け取り拠点として参画する店舗に対し、Doddle社の「Click & Collectシステム」を導入し、サービス提供を開始する。

ヤマトホールディングスの長尾裕社長は、「Doddle社が持つ、ECのラストワンマイル領域における最先端デジタルテクノロジーを活用することで、日本のお客さまに、今後全く新しい受け取り体験を提供できると考えています。今後さらなる両社の連携を通じて、デジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに加速し、ECに関わる全ての方々に最高の価値を提供するECエコシステムの構築を目指してまいります」とコメントしている。

Doddle社のSir Lloyd Dorfman会長は、「DoddleはYHDのNEXT100戦略の一環として同社と提携し、引き続き日本国内における荷物の配送にデジタル革命を起こし、消費者への配達にさらなる利便性をもたらすことに参画できることを大変光栄に思います。Doddleは、今後日本国内でYHDとの充実したパートナーシップを長期にわたり確立していくことにコミットしています。私たちは、日本市場において、eコマースおよびフルフィルメントのテクノロジーが大きく成長していくポテンシャルがあるものと考えています」とコメントしている。

今後も両社は「ECエコシステム」構築に向けた連携を進め、来年3月にはEC商品の返品が可能となる機能を拡張する予定だという。

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