2020.02.13

三井不動産、「ららぽーと」でRFIDの実証実験 商業施設のオムニチャネル化推進

実際に使用しているRFIDタグ

三井不動産は2月12日、ビームス、大日本印刷と共同で、RFIDを活用し、店鋪の在庫情報を把握する実証実験を行うと発表した。在庫情報に基づいた販促施策の効果測定も実施。RFIDによる商品情報の自動データ化により、さまざまな付加価値の創出を検討する。

「三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY」と「ららぽーと立川立飛」に出店している「B:MING by BEAMS」の店内に複数のRFID読み取りアンテナを設置する。商品に取り付けられたRFIDタグ情報を読み取り、商品の在庫情報を自動的にデータ化する。実験の期間は2月13日〜4月24日。

RFIDとは読み取りアンテナから発する電波により、RFIDタグに入力されている情報を接触せずに読み書きする技術で、経済産業省によるコンビニエンスストアでの実証実験が行われるなど、さまざまな分野での活用が注目を集めている。

今回の実験では、店頭と店内倉庫で複数の読み取りアンテナを設置。店頭ではいかに効率的に大量の商品情報を読み取ることができるかを試す。一方、店内倉庫では商品情報だけをいかに正確に読み取ることができるかを検証。それぞれの空間に応じて最適なアンテナ配置方法を確立することを目指す。


店舗内にあるアンテナによりRFIDタグを読み取り


RFID読み取りアンテナが発する電波は、広範囲の商品を瞬時に把握できるが、壁などの障害物も貫通するため、限られた空間の読み取りについては不向きな側面も持つ。今回の実験では、一部の店内倉庫や試着室の壁面、天井内部に金属板を入れ込み、限定された区画の電波を読み込めるかを検証する。限られた空間内の在庫情報を正確に取得できれば、在庫管理の精度が高まる。

他にも商品情報を基に、来場者に販促メールを送信する。商品情報の変動に応じた販促施策の最適化も検証する。

三井不動産は、RFIDによる商業施設内の商品情報の自動データ化とその活用により、さまざまな付加価値を生み出すことができるとしている。例えば商業施設への来館者に個々の好みに合わせた商品紹介や各店舗における商品の検索・閲覧システムを提供する。

一方、出店者に対しては、自動棚卸による省人化や万引き検知のような防犯への活用など、これまでなかった新しいサービスの提供が可能になるという。公式通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall(&mall)」にRFIDで読み取った店鋪の商品情報を連携することで、「&mall」でも商品の販売が可能になるとしている。


RFID活用のスキーム図


三井不動産では、商業施設におけるICTの活用を積極的に進めている。RFIDを活用することで「商業施設のオムニチャネル化」を推進するとしている。



将来的なRFID活用によるソリューションの一例


「Mitsui Shopping Park &mall」

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