2020.08.12

【コロナで顕在化した在庫問題!売上を増やし在庫を減らす新手法とは?】第4回「エクセルでもできる『在庫リスク』を見える化する分類方法」


不良在庫はセールで一気に売り切る


不良在庫は値引きをしてでも早く売り切って現金を回収すべき商品です。不良在庫の一覧から商品を選び、例えば以下のような施策へ割り当てます。

・セール/タイムセール
・クーポンを発行
・福袋に入れる
・アウトレットに回す

ここで重要なのは、ひと口に「不良在庫」といっても、完売までに必要な日数や在庫数量には大きな差があるということです。また、セールは頻繁に行うとブランドを毀損したり、消費者からの価格への信頼度を下げたりする可能性があります。

このため、セールに回して現金を取り戻すのは、不良在庫の中でも特に在庫リスクが高い商品に絞る必要があります。

分析作業それ自体に付加価値はない


前章で触れた計算や分類は、100~200程度のSKU数であればエクセルでも十分に可能です。しかし、SKU数が数千、数万と増えていくと、パソコンがフリーズしたり何人もの従業員が何日もかかりきりになったりします。

実際のところ小売業における付加価値は、計算し分類した結果を使ってどのような販促を実行するかにあります。販促を実行しなければ、今ある在庫で売上を増やして在庫を減らすという結果は得られないからです。

そこで弊社フルカイテンは、膨大なSKUに対しても上記のような分類・分析を簡単に実践できるツールとして、クラウドサービス「FULL KAITEN」を開発し、小売企業などに提供しています。大手アパレルやメーカー、楽天ショップオブザイヤー受賞店舗など多くの企業に導入されています。

ですから経営者としては、分析結果を使った販促などの施策立案にこそ、経営リソース(人員、予算)を使わせるべきではないでしょうか。そうすれば、「今ある在庫」で売上を増やし、結果として在庫を削減する在庫実行管理(IEM = Inventory Execution Mamagement)の考え方が組織にインストールされ、属人化していた日々の業務が標準化されていくでしょう。

事業規模がある程度の大きさになると、「FULL KAITEN」のようなツールは大きな助けになりますので、ご興味をお持ちのかたは是非ご連絡ください。

次回は、効率的に売上を増やすため、注文数(販売数)より客単価に着目する手法についてご説明します。お楽しみに。



【著者プロフィール】


フルカイテン株式会社 
代表取締役 瀬川直寛(セガワ・ナオヒロ)

売上増加と在庫削減の両立を実現するシステム「FULL KAITEN」を開発し、クラウドサービスとして大手小売企業や楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー受賞店舗などに提供。 EC経営者として倒産危機を3度乗り越えた経験を踏まえた理論・考え方は、多くの企業から高く評価されており、「FULL KAITEN」にも多くの問い合わせが寄せられている。

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