2020.08.08

アルペン、日本初の3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT」導入 物流業務の6割削減目指す

アルペンは8月6日、物流の主要拠点である「アルペン小牧ディストリビューションセンター」(愛知県小牧市)への村田機械の3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT(アルファボット)」の導入を発表した。7月22日付けで工事契約を締結しており、稼働の予定は2021年7月。同システムが関わる物流業務の保管補充、ピッキング、仕分け、梱包の工程において、約6割の業務削減を目指す。

日本初の3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT」は、保管からピッキングまでをロボット台車で完結させたシンプルな仕組みの自動倉庫システム。従来の自動倉庫とは異なり、走行・昇降機能を有するロボット台車(BOT:ボット)が、保管ラックの外も走行してピッキングポイントに商品を自動で供給するため、在庫商品からオーダー単位で商品を揃える作業者は、広大なスペースを歩くことなく、定点で効率良くピッキングが行なえるという。


ALPHABOTシステム ロボット台車「BOT」イメージ

3Dロボット倉庫は、商品を立体保管ラックに収納するため、AGV型ロボットより少ない床面積で大量の在庫商品に対応することができる。商品格納や商品ピック時のワークステーションが併設され、オーダー別ピックのほか、バッチ毎のトータルピックにも対応。柔軟な出荷プロセスへの対応が可能としている。従来の自動倉庫と異なりボットにしか駆動部がないため、システム全体のトラブルが少ない、ボットの故障時には他のボットでリカバリーが可能なためシステム全体を停止させることがなく、出荷を止める必要がないという特徴も備えている。


導入システムのイメージ

アスペングループは、スポーツ小売業界において多様化する消費者ニーズに合わせて全国に店舗を展開。現在は、小規模店舗「アルペン」、大規模店舗「スポーツデポ」、ゴルフ用品専門店「ゴルフ5」、アウトドア専門店系列の「アルペン アウトドアーズ/マウンテンズ」の4チャンネルを運営し、関連するアパレルやシューズ、アクセサリなど、さまざまなカテゴリの商品をトータルに提案している。一方で、商品を管理する物流業界においては、新型コロナウイルスの影響によりEC利用率が増えたことで物流需要が増加し、現場での人手不足が深刻化しつつある。さらに物流センター内においては、従業員による密の回避が必要となっており、新生活様式に合わせ、DXを推進した新たな物流体制を導入していくことが求められているとしている。

こうした状況においてアルペングループでは、強固で効率的な物流体制を作り、多様化する顧客のニーズに継続して応えていくとし、これまでの物流体制を一新する新物流戦略を進めている。新物流戦略では、それぞれの販売チャンネルに対して様々なカテゴリの商品を迅速かつ効率的に供給するため、物流システムを再構築。アパレル、シューズ、大物(キャンプ用品やゴルフキャディバッグなど)、小物(フィットネス用品やサポーターなど)などカテゴリ別に物流網を整流化し、供給リードタイムの大幅短縮化、売場/ブランド別梱包納品による店舗品出しまでの作業簡素化、出荷物量コントロールによる庫内作業人数および配送の最適化を実現するとしている。

日本初となる3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT」の「アルペン小牧ディストリビューションセンター」への導入は、新物流戦略の第一弾となる。今回の導入により、空間使用効率の高い立体保管への変更による取扱商品の拡充、作業者の手間の削減による生産性の向上と作業の非熟練化の実現、ピッキングから仕分梱包までのワンプロセス化によるヒューマンエラーの削減と仕分け・出荷効率の向上の効果が期待できるとし、物流業務の保管補充、ピッキング、仕分け、梱包の工程において、約6割の業務削減を目指すとしている。

アルペングループは、村田機械とともに「ALPHABOT」をシステムとして継続的に進化させるために実運用での検証を重ね、新しい物流システムとして確立・進化させていくとしている。また今後、さまざまな物流拠点への導入も検討しているとし、納品時の仕分け作業を軽減し、店舗における業務効率化も進めていく考えを示した。

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