2020.07.28

【記者コラム】ECユーザーに広告リテラシーを

サプリの広告には嘘が多い

大阪府警は7月20日、九州で健康食品の通販事業を展開するステラ漢方の従業員と、広告代理店の社長ら6人を逮捕しました。大阪府警によると、逮捕された従業員らは、肝臓ケアのサプリメントのネット広告を行うにあたって、「肝臓疾患の予防効果がある」など、薬機法に抵触する表示をしていたということです。一部では、ステラ漢方は記事型広告の中でサプリの使用者の体験談として予防効果をうたっていた、という報道もあります。

サプリの広告で病気の予防の効果をうたうのは、明らかな薬機法違反です。にもかかわらず、「記事型広告の中で、体験談として効果効能をうたう」といった事例は、決して珍しい話ではありません。ニュースサイトやまとめサイトの広告には、こうした記事型広告が散見されます。

ある通販のコンサルタントによると、記事型広告がなぜ多いかと言えば、記事型広告経由だと商品がよく売れるからだそうです。

別の専門家は、こうした記事型広告の体験談は、ほとんどすべてが捏造された情報だと言っています。たくさん商品を売るためのうその広告が、ネット上のあちこちに見られるのだというのです。素人目に見ても、明らかにうその体験談だと分かるものも多いです。

消費者はなぜ、明らかにうそだと分かるような広告を見てサプリや化粧品を買ってしまうのでしょうか。私が思うに、多くの消費者が、売買契約でうそを言われたことがないからではないでしょうか。経験値が足りなくて、あからさまなウソすら見抜けなくなっているのではないでしょうか。また、仮に体験談通りの効果がなくても、大きな損害はないと考える消費者が多いのかもしれません。

ECは、だれでも参入できる市場です。誰でも参入できるからこそ、海のものとも山のものとも分からないサービス提供者がいるのです。ECを利用する消費者も賢くなっていく必要があるでしょう。

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