2020.07.25

「洋服の青山 オンラインストア」、6月度売上高は前年比2倍

青山商事のEC売り上げが伸びている。2020年6月度における「洋服の青山 オンラインストア」のEC売上高は、前年同月比で約2倍と大きく成長した。近年は組織体制の再編とともにチャネル間での連携を強化。コロナ禍で実店舗の運営が制限される中、ECへの送客に成功している。

青山商事は2020年4月、組織体制を一新。EC事業部とデジタルマーケティング部を傘下に置く「デジタルコミュニケーションヘッドオフィス」を新設し、社内連携を強めている。

同部署を統括する藤原尚也ゼネラルマネジャーは2019年10月、リブランディング推進室室長補佐として青山商事に着任した。

ECを中心とした事業の強化を図る中、藤原氏を中心とし、「商品」を軸にしたマーケティング施策を推進している。その中でも象徴的な取り組みが、月ごとにお薦めの商品を各チャネルで統一して打ち出す、「マンスリー施策」の実施だ。

その月の軸となる商品を明確化し、実店舗やECサイト、アプリなどが連動して展開することで、より戦略的な販促が可能になった。SNSやアプリ上で露出する商品写真やキービジュアルも統一し、ユーザーに発信している。

「お客さまがどの窓口を通じてでも、同じ購買体験を得られるよう、展開チャネルの横での連携強化は必須」(藤原氏)と話す。

全国各地に、実店舗と多くのブランドファンを持つ同社にとって、店舗とECの連携はかねてから取り組んできた至上命題だった。

デジタルとリアルを融合した接客システム「デジタル・ラボ(デジラボ)」は、2016年の運用開始後、導入店舗を拡大している。デジラボ上では、ECと「洋服の青山」全店舗の在庫を連動して表示。商品情報の詳細表示や、ユーザーの用途に合わせた商品提案などといった機能も備えている。


「デジタル・ラボ」の利用イメージ

こうした取り組みが、緊急事態下におけるECの躍進に寄与している。コロナ禍で、実店舗での売り上げが苦戦する中、ECでの売り上げは拡大。1日単位での過去最高の売り上げも、この期間中に複数回更新したという。

「単純に、店舗営業の縮小によるEC需要拡大だけが、今の数字に結び付いたとは考えていない。実店舗との連携や、サイトでの施策など、コロナ禍以前から行ってきた取り組みが、今のECの伸びにつながっていると捉えている」(星川敦EC事業部長)と話す。

さらなるサービスの拡充、リアル店舗との連携強化に向け、「サイト全体の刷新も今期(2021年3月期)中に計画している」(藤原氏)と言う。


「洋服の青山 オンラインストア」

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