2020.07.16

〈進む定期購入規制〉表示・解約規制が焦点 「まじめな事業者」の負担増加のおそれも

消費者庁が開催する、特定商取引法の改正に向けた検討会では、ECへの規制を強化する方向で、議論が進んでいる。定期購入トラブルの急激な増加が背景にある。検討会の委員である、一般社団法人ECネットワークの沢田登志子理事は、「消費者庁は、定期購入の文字の表示方法について、具体的な規制を盛り込みたいと考えている。まじめな事業者の負担が重くなる可能性があり、反対だ」と話している。

事業者側は導入に反対


6月29日に行われた「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討会」のテーマは、経済のデジタル化。主にECの定期購入トラブルについて意見交換が行われた。ECサイトの文字の大きさや、解約の条件などについて意見が多くでた。
 
「定期購入であることを分かりやすい文字の大きさで一体的に記載すべき」「小さい文字の表示を禁止しては」などと、文字の表示について新たな規定の導入を求める声が相次いだ。
 
沢田理事は、本紙の取材に対して、「消費者庁は、『お試し』などの禁止ワードの指定や、文字の最低ポイント数の指定を、ガイドラインの改定に盛り込みたいのではないか。『電話でしか解約できない』といった、解約の妨害を禁止する規定も盛り込みたいようだ」と話している。
 
「表示に何と書いてあっても、表示を見ずに購入する消費者は多い。そういった消費者を保護するために、まじめな事業者の創意工夫の邪魔をするのは反対だ」とも話している。

利便性高い定期購入


検討会の委員である、公益社団法人日本通信販売協会の万場徹専務理事は、「議論の流れでは、何らかの具体的な定期購入の規制が盛り込まれそうな雰囲気だ。定期購入は、お客さまにとって利便性が高い仕組み。多くの通販企業が工夫して作り上げてきた。規制の導入には最後まで反対する」と話している。

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