2024.09.27

フルフィルメント支援のエクシーク、ファイナンス事業に参入 「物流」×「フィンテック」でEC事業者の資金繰りをサポート

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猪田恵介社長

フルフィルメントサービスを展開するエクシークは9月24日、ファイナンス事業に参入し、「物流」と「フィンテック」を融合させた新たなファイナンスサービスを開発・提供すると発表した。EC事業者の資金繰りをサポートし、成長を支援する。

エクシークは、フルフィルメントのプロフェッショナルとして、4200社を超えるのEC事業者と取引してきた実績、多種多様な商品を取り扱ってきたノウハウを持つ。

このほど、EC事業者の成長促進を目的に「物流」×「フィンテック」を融合させたEC事業者向けの資金繰り支援サービスを開始した。自社の経験を最大限に生かし、貸付でも出資でもない実態に即した資金繰り支援を行うとともに、キャッシュフロー改善や金融コスト削減、在庫圧縮による財務体質改善といった経営的視点の支援を実施する。

EC市場はパンデミックを追い風に急速に拡大し、多くのスタートアップや中小事業者がEC市場に参入しているが、成長の過程で仕入れや製造委託の支払いが増加し、短期的に資金が必要になることも多い。⼀般的には金融機関からの借入に頼るが、審査は過去の実績データや信用情報を元に行われ、事業の成長性が考慮されているとは言い難い実情があるうえ、銀行との交渉や資料作成に時間を取られる、金額や返済条件が実態に沿わず逆に資金繰りが厳しくなるケースもあるとし、今回の資金繰り支援サービスの開始に至ったとしている。

具体的には、フルフィルメント事業を展開する中で蓄積される「荷主単位」「商品単位」の「入出荷情報」「在庫保管状況」「回転率」等の物流タイムデータを解析・有効活用し、EC事業者に対して資金繰り繰り支援を実施する。

資金繰り支援の中心となる「LogiGrowth(ロジグロース)」は、業務提携先であるFinatextグループのスマートプラスクレジットが提供するBNPLサービス「BizGrowth」をホワイトラベル化し、エクシークが自社サービスとして提供するもので、仕入れ・製造委託支払いの立替、分割後払いに対応。実態に即した資金繰り支援として、在庫切れ防止と売上拡大をサポートする。

その他、在庫削減やキャッシュフロー改善に効果が期待できる、荷主であるEC事業者との受注(販売)・出荷・在庫情報の共有による仕入れ代行と在庫の管理・補充の実施。負債債権抑制などに効果がある売上債権の買取り。融資審査精度向上や保険料率適正化に効果がある、物流リアルタイムデータの提供による流通モニタリング、在庫削減に効果のある在庫買取を提供する。

流通モニタリングにおいては、「物流金融のHUB」として、金融機関や在庫評価会社等と連携し、ABL(Asset-Based Lending /動産担保融資)の審査精度向上をサポートするとともに、保険会社等と連携して新たな動産総合保険を開発。不測の際には、実物を保管しているという特性を生かし、回収リスクの低減をサポートする。

エクシークは、2023年12月にリリースしたECブランドの売上向上を目的プラットフォーム「FULFILLMENT PARK」において、自社最大の強みである受注・検品・保管・梱包・発送といった従来のフルフィルメントサービスに加え、オフライン展開や海外進出支援、サイト運⽤支援等を行っている。

今回の取り組みは、「FULFILLMENT PARK」の中でも大きな役割を果たすとし、フィンテックを活用したEC事業者向けの資金繰り支援サービスを追加、展開していく考えを示した。

エクシークは、これらの取り組みにより、国内外を問わず、原材料から完成品(商品)が消費者の手元に届くまでがシームレスにつながり、商品が売れた際に小売・製造・原材料それぞれを同時に決済させることが可能だとし、フィンテックの活用により、「EC事業者が自身で開発した独自性のある商品であっても、在庫を持たず、販売やマーケティングに専念し、消費者の代⾦をもってすべての決済をする」未来を目指すとしている。

これにより、、過剰在庫や売れ残り、陳腐化ロス等、経済的に意味のない在庫(流通ロス)は限りなくゼロに近づき、流通変革につながるとの考えを示した。

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