2020.07.08

【売上アップの決め手】アートECの「SINGULART」、月間売上が2億円突破

Singulartの社員

2020年2月に12億円の資金調達に成功したSingulartは、2017年から自社ECサイト「SINGULART」で、全世界に向けてアートを販売している。2019年7月に同サイトの日本語版を開設して以来、日本語サイトでの売れ行きは右肩上がりだという。2020年5月度の月間売上高は、1200万円、世界全体では2億2000万円だったとしている。同サイトは日本語含め10カ国語に対応。世界中への無料配送も行っている。

国籍・文化など、さまざまなルーツを持つ顧客のニーズに応えられていることが、同社が国際的な販売に成功している一因だという。

「アートで世界にポジティブな影響を与える」が同社のコンセプト。同社の共同創業者の一人であるヴェラ・ケンプ社長自身も1枚の写真によって人生を変えられた経験を持つという。「人生を彩る作品と寄り添って生きる幸せを全ての人に感じてほしい」と語る。


ヴェラ・ケンプ社長

「アートに国境はない」というビジョンを体現する場として、ECでのアートの販売を選択したという。同社を支える約60人の社員の出身も、21カ国と多国籍だ。現在、同サイトの商品は80カ国以上の人に購入されている。アーティストの国籍は100カ国以上にわたるという。オンラインのギャラリーでの販売ならば、リアルのギャラリーではアプローチできない地域の人々を集客することが可能。顧客は、異文化と出会う体験ができるとしている。

サイトには、同社が厳選した7500人のアーティストを掲載している。各アーティストのプロフィールページも日本語で掲載されており、国ごとに、アーティストや作品を探すこともできる。

同サイトの強みは「アートというパーソナルな商材を各国の母国語で販売できること」(ケンプ社長)だと言う。

顧客が購入する商品の価格帯は3万~400万円と幅広い。各顧客の予算に応じて購入してもらえるよう、多様な商品を取りそろえている。購入されたアートは、日本の離島に至るまで、世界中どこへでも無料で配送する。到着から14日間は返品も可能。返品の送料も同社が負担する。同サイトの平均顧客単価は約16万円と高額。だからこそ顧客には、ECでも安心して購入してもらえるようにしているという。

サイトにはチャット機能もついている。顧客が同社とコミュニケーションを取りながら商品を購入できることも、同サイトの強みの一つだという。チャットでは、お薦めの商品を紹介したり、価格交渉に対応したりしているという。

サイトの日本語版リリースは昨年7月だったが、今年5月の成約数は100件を超えた。コロナの影響による世界的な巣ごもり需要の高まりもあり、同社全体の業績は右肩上がりだという。

今後はさらに、サイトの対応できる言語数・アーティスト数・作品数を増やしていくという。リアルのイベントを開催したり、ビデオ会議などのオンラインツールを活用したりしながら、アーティスト同士を結びつけるコミュティーを作っていきたいとしている。


「SINGULART」

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