2020.07.03

【ファンづくりの秘訣】「神戸洋靴店」、受注生産でパンプスを普及

笹倉結加社長

靴のOEMやセミオーダー式のパンプスをECで展開する神戸洋靴は、パンプスを常に履いている人や、これから着用したいユーザー向けに、セミオーダー(受注生産)式の販売に取り組んでいる。

商品は注文を受けてから製造に入るため、検品などを含めると、納品までに40日前後かかる。しかし、商品を1度購入した消費者は、リピーターになる人が多いという。

笹倉社長は、起業する前から、靴の企画やマーケティングの仕事に従事。自身もパンプスやヒールを愛用していた一人だ。そんな中、なぜパンプスはもっと広がらないのかと考えるようになった。パンプスは、スニーカーと異なり、サイズや幅など自分に合っているものでないと着用し続けることが難しいという。「私の場合、足のサイズが24・5だが、実際は23・5のサイズで幅を広くしないとダメだった。こういったことが多くある。これを解決できれば広がるかもしれないと考えた」(同)と話す。


オーダーを訴求したトップ画面

日本製だけでなく、海外の商品も取り寄せ、商品ごとの比較を含め徹底的な調査も行った。

企業で働いていた時も、ヒールやパンプスなどの婦人物は長続きしない、売れないと言われ続けたという。しかし、実際に顧客の話を聞いてみると、「履きたくないわけではなく、履けるものがない」「かわいいものがない」と言う意見が多く、作る側と履く側でミスマッチが起こっていると感じたという。

そこに商機を見出し会社を立ち上げた。履き心地がよいことを前提とした商品設計を行うだけでなく、靴のサイズについても細かく対応できるものを提供できるようにしている。

現在は、百貨店を中心とした店舗での販促や、インスタグラムを起点とした情報発信によって認知を拡大している。20代後半から40代の女性が購入のメイン層だ。

靴の製造工場との連携がキーとなる受注生産式の販売だが、「靴を製造する側の現状や課題を理解しつつ、パンプスに限らず小売店と生産者がつながるプラットフォームの仕組みをいずれは提供できるようにしていきたい」(同)と話す。


「神戸洋靴店」

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