2020.06.25

サン食品、京都の高級料亭の味をネット販売 「楽々通販2」導入で業務効率化

サン食品 飯沼雅浩社長

業務用の魚の切り身や焼き物、加工食品の卸を手掛けるサン食品は、京都の高級料亭でも提供されている西京焼を一般消費者向けに商品化し、自社サイト「雅幸胤公式サイト」のほか、楽天市場やヤフーショッピングで販売している。
 
サン食品は、1968年に先代の飯沼寿朗氏が京都市内に「飯沼商店」として創業。乾物小売店と給食工場への食材卸を手掛けてきた。当初は、給食の食材として切り身を提供し、その後、京都の高級料亭にも販路を広げてきた。
 
自社の加工工場では社員約20人が作業を行っている。西京焼は、魚の種類に合わせて独自にブレンドした味噌の味を変えているのがこだわりだ。さらに、漬けていた魚を味噌から上げて、焼くタイミングも独自のノウハウがあるという。こうしたこだわりを背景に、京都の有名料亭から支持を得ている。
 
「この料亭の味を一般消費者に知ってもらいたい」(飯沼社長)との思いから、一般消費者向けに、焼いた後、真空パックし、電子レンジで調理できるように商品化した。2009年にECサイトに販路を広げた。「雅幸胤公式サイト」のほか、楽天市場、ヤフーショッピングにも出店した。当初について、「モールに出店すれば売れると考えていたものの、全く売れなかった」(飯沼社長)と振り返る。販売開始から2カ月目に2100円の商品が売れたという。
 
その後、EC事業の売り上げは毎年30%増で推移。「今年は大きく伸ばしていきたい」(飯沼社長)との思いから本腰を入れ始め、以前から面識のあった、イメージデザインの田中和利社長にシステムの導入とコンサルティングを依頼することにした。

「楽々通販2」導入で業務効率改善


EC支援のイメージデザインが提供する複数店舗の業務が一元管理できる「楽々通販2」を今年1月に導入し、業務効率の改善に成果を出している。
 
田中社長は、まずサン食品の工場を見学し、切り身の「端材」に着目した。これを低価格で商品化し、新規集客のツールに使おうとアドバイスしたという。その後は「健康志向セット」として、今年3月の楽天スーパーセールで販売。この施策が奏功し、約1000人の新規顧客を獲得できた。「端材は売れないと思っていたが、ユーザーからは弁当のおかずにはぴったり」(飯沼社長)という声が寄せられた。
 
ECサイトで初めに購入する顧客の多くがギフト目的だ。ギフト品を送られた人からの注文がくることが多い。ここで獲得したユーザーからは、5月の母の日に購入するケースも目立った。
 
最近は、巣ごもり需要を獲得した結果、3月度の売り上げは前年同月の2倍、4月度は同2倍、5月は3倍にまで増えているという。

受注確認作業の軽減に大きく貢献


「楽々通販2」を導入する前は、出荷の内容を目視でチェックしていく必要があった。例えば、北海道と関東では配送日数が異なるため、事前に出荷日を確認する必要があった。導入後は、入力作業が自動的されたことでこうした負担の軽減につながった。出社後にすぐに受注状況を確認する必要がなくなったほか、確認作業が膨大になる週明けの月曜日も、前日からの作業を軽減することができたという。
 
今後は、ギフト需要に対応するため、在庫を多く確保していくほか、百貨店の催事に積極的に出店して消費者との接点を広げ、自社のECサイトへの誘導を狙っていく。
 
また、MQ会計を学び「楽々通販2Management(マネジメント)」の「日次決算機能」「商品分析機能」「リピート分析機能」を利用しながら店舗の経営状況を把握しさらなる業績アップを目指す。
 
そのほか、京都のFM局「αステーション」で冠番組を放送しており、会社や商品の認知を広げていく考えだ。


「雅幸胤公式サイト」



〈「楽々通販2」 サービス概要〉

「楽々通販2」は、ネットショップが運営する自社サイトやモールといった複数店舗の業務管理が一元化できるシステム。注文の取り込みや初期編集作業で自動処理を行う。受注処理担当者ではなくても利用できる。ネットショップの「日次決算機能」「請求予測機能」「経営計画シミュレーション機能」「商品分析機能」「リピート分析機能」といった経営状況が把握できる「楽々通販2Management(マネジメント)」も提供する。

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