2020.06.24

【インタビュー】財宝 久保山和典 社長室政策秘書「今期はEC売上2倍増の見通し」

久保山和典氏


温泉水を使ったミネラル水や焼酎を通販展開する財宝は、2020年8月期のEC売り上げが前期比2倍になる見通しだ。2019年8月期の通販の全体売上高は168憶1800万円だった。楽天などECモールで人気商品の販売を強化しているほか、新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり需要」を捉えている。今後の販売施策などについて、社長室政策秘書の久保山和典氏に聞いた。


EC単体の売上高は非公開だが、20年8月期のEC売上高は前期比2倍になる見通しだ。直近3年間はECを強化してきた。2019年6月から2020年5月における販売データによると、既存顧客の3割以上がリピーターになっていることも、ECの売り上げ伸長を後押ししている。

楽天市場やアマゾンなどのECモールでどのような商品が人気になっているかなど、市場調査を実施している。

市場調査に基づいたトレンドや価格に基づき、ECに特化した商品を展開してきたことがEC売り上げの増収につながったと考えている。新商品のラインアップ拡充が、新規顧客の獲得につながった。

現在、ECを含む通販全体で、焼酎やソフトドリンク、サプリメントなど130品目を取り扱っている。毎年、各ジャンルで3〜5品目ほど新商品を追加することで、新規顧客を呼び込んでいる。引き続きECに特化した商品開発を強化していきたい。

新型コロナウイルスの感染拡大は、事業にさまざまな影響を与えている。当社は、通販以外に、観光や店舗の事業も展開している。事業全体の売り上げのうち、観光が8%、直営店が2%、自販機が1・5%を占めている。コロナ禍で、店舗と観光の業績は悪化している。特に、3〜5月における観光事業の売り上げは、前年同期間比で7割減となっている。酒屋や居酒屋を対象とするBtoBの販売は5割減となっている。

一方で、ECを中心に通販は増収に転じている。今年3〜5月におけるECの売り上げは、前年同期間比で2・3倍増となっている。健康意識が高まり、水やサプリメントの人気が出た。「家飲み」の需要もあり、焼酎の販売も好調だ。10年前から、自社ECサイトでは注文から翌日配送を行える仕組みを構築してきたことが功を奏し、「巣ごもり需要」に供給が追い付き、業績を大きく伸ばせた。

今後は、30〜40代の若い顧客層を獲得するためにECの強化は必要だ。パッケージデザインの刷新、SNSやメディアでの販促にも力を注ぎたい。

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