2020.06.23

【インタビュー】 アルペン EC事業部 武藤恵一事業部長 「『サイト』『マーケ』『商品』かみ合い、成長続く」

武藤恵一事業部長

アルペンは2019年6月期のEC売上高が前期比約50%増と急拡大している。販促や商品供給の強化に加えて、新型コロナウイルスによる巣ごもり需要を捉え、2020年4月度のEC売上高は前年同月比約70%増になったという。EC事業の拡大を図るアルペンの戦略について、EC事業部の武藤恵一事業部長に聞いた。

EC事業ではモール出店と業務委託という形での自社ECサイトを運営していたが、自社サイトは自社での運営に切り替え、実店舗との連動などを強化している。コマースニジュウイチをパートナーに迎え、2018年9月に自社ECサイトをリニューアルした。2019年4月には実店舗とECサイトの会員データを統合し、2020年3月末からはECサイトの注文商品を店頭で受け取れるサービスも提供している。店頭受け取りは、緊急事態宣言の前までは想定以上の利用があった。

全社的にデジタル改革、EC強化を進めており、マーケティング予算の配分や取扱商品においてもECの配分が高まっている。4月のEC売上高は、前年同月比70%ほど伸びている。ナショナルブランドとキャンペーンを展開したり、巣ごもり需要に対応した「家キャン(家キャンプ)」などの特集を組み、家の中や周りで使えるアイテムの販売を強化したりしたことが良かった。
一方、部活需要などの落ち込みなどで売れにくい商品もある。カテゴリーによってまちまちだが、企画や販促によって当初の想定より伸ばすことができた。しかし、会社からはもっと高い期待を寄せられている。

EC事業の拡大には、会員数が劇的に増えていることも影響している。会員データの統合も大きいが、オウンドメディアでのコンテンツ配信による効果が出ている。LINEやアプリ展開の強化も流入拡大につながっている。「自社ECサイト」「マーケティング」「MD(商品政策)」が、一気通貫になってきたことが良い方向に向かっている。

コマースニジュウイチは提案力が高く、開発のスピード感もあって助かっている。パッケージの自由度や柔軟性も高く、満足している。

今後はECやデジタル技術を活用して、より便利なサービスを提供したい。配送のリードタイムやコストを圧縮したいし、アプリなどを使って店頭で商品情報を手軽に表示するようなサービスも早く実現したい。将来的には、ウェブ接客のようなチャット対応が当たり前になるかもしれない。そういう時代になる前に、しっかりと先行してサービスを提供できるようにしたい。

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