2020.06.22

「カラーミーショップ」、流通額が5月も前年比1.7倍と拡大 オンラインイベントで『卸販売アプリ』の提供を発表

オンラインイベントで登壇したGMOペパボ 佐藤健太郎社長(写真左)とEC事業部 寺井秀明部長

GMOペパボは6月18日、オンラインイベント「ポストコロナに向けて今こそ取り組むべきデジタル化~実例から学ぶネットショップ活用のヒント~」を開催し、ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」の今後の取り組みと最新の流通額の伸び率を発表した。「カラーミーショップ」の2020年5月流通額は4月に引き続き好調となっており、前年同月比1.7倍と伸びている。この背景にある新型コロナウイルスの影響による消費者・事業者のEC(ネットショップ)利用の需要の高まりは、5月も継続しているとの考えを示した。

オンラインイベント「ポストコロナに向けて今こそ取り組むべきデジタル化~実例から学ぶネットショップ活用のヒント~」では、GMOペパボの佐藤健太郎社長、EC支援事業の担当者などが登壇し、EC支援を行う事業者の立場から見えるEC市場とポストコロナに向け取り組むべきデジタル化について、今後の「カラーミーショップ」の取り組みについて発表した。

デジタルと実店舗の組み合わせが進化


佐藤社長は、コロナ禍における事業者の状況とカラーミーショップ5月の速報値として、「日本国内における2020年4月後半の消費は、2020年1月後半と比べレジャー消費が大幅に落ち込んだほか、小売においても、-10.4%と低調で、百貨店を含む各種商品小売業(-21.3%)や織物・衣服・身の回り品小売業(-33.8%)は小売の中でも低くなっています。一方で、EC(+24.2%)は拡大しており、インターネット上での消費需要が高まっていることが分かります」と解説した。

さらに、「『カラーミーショップ』においても、2020年4月・5月共に流通額は前年同月比約1.7倍となりました。さらに、『カラーミーショップ』でも4月に新規申込を行い、開店したネットショップの初月流通額は、前年同月比35.1倍と大幅に増加しており、開店後すぐに成果が出ている背景としては、一般生活者のEC利用の需要の高まりや、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた事業者を支援する潮流が新規申し込みネットショップの流通額を押し上げたことが一因であると考えられます」との見解を示した。

ネットショップの今後については、「緊急事態宣言が発令され、実店舗がメインだった消費行動や販売形態にも大きな影響がありました。事業者は休業や営業時間の短縮を余儀なくされ、消費者の消費行動は、急激にデジタルへと移行しました。これまでの手法にこだわらず、不確実な手段であってもチャレンジすることの必要性、そしてそのタイミングの重要性が今回あらためて実証されたと考えています。コロナ禍を経てこれから迎える、ポストコロナ時代においては、販売形態と消費行動は、デジタルと実店舗を組み合わせたニューノーマル(新常態)に進化し、より多様化していくと予想されます」と述べた。カラーミーショップでは今夏、企業間の卸販売用のアプリの提供を予定しているという。

3ショップの活用事例


「カラーミーショップ」でネットショップを運営している担当者による、コロナ禍における取り組みの紹介や「LogiMoPro」「Amazon Pay」による物流や決済に関する事例紹介では、「旬八青果店」「乃し梅本舗 佐藤屋」「公益社団法人鹿児島県特産品協会」の3つのショップが登場し、以下のように話をしている。

①「旬八青果店」大崎広小路店副店長/広報 佐藤麻美氏 

「旬八青果店は、株式会社アグリゲートが運営する八百屋です。『新鮮おいしい適正価格』をコンセプトに旬の青果や肉、魚、全国のこだわりの加工品などを取り扱っています。緊急事態宣言後、在宅勤務や学校休校の影響もあり、店舗はかなり混雑している状態でした。そのため環境を整えたり、3密を避けたりするなど様々な改善をしながら営業を行っていました。これまでもネットショップ販売は行っていましたが、コロナ禍で、ネットショップで買い物をしたい方が増えるだろうと考え、ネットショップ販売の強化や、大崎広小路店で、お隣の自転車屋さんと協力し、新たにお届けサービスも始めました。結果、これまで利用されていた方だけでなく、新規でネットショップを利用いただく方も増えました。 今後、ネットショップを利用する方は増えていくと考えているので、実店舗との使い分けをお客様に提案できればと思っています」


②「乃し梅本舗 佐藤屋」八代目 佐藤慎太郎氏 

「乃し梅本舗 佐藤屋は、創業約200年のお菓子屋です。普段は店舗での販売の他、百貨店や飲食店、市場などに料理の素材として乃し梅を販売しています。コロナ禍で、注文のキャンセルなどが相次ぎ、売上は前年同月対比80%以上減となり、一時期は売り先を失った在庫が3000個にもなりました。この状況を打破すべくネットショップを始め、開始1時間程度で100件ほどの購入がありました。今回、オンライン上で気軽に購入できる場所を求めていたお客様が多くいたことに気づくことができました。「カラーミーショップ」を利用したのは、月商に対する負担額を考えた際に、単価の大きくない商品を販売する当社にはカラーミーショップが一番よいと考えたからです。ネットショップの利点として、発送時期を事前に承諾いただいて購入いただくことができるため、シーズンによって業務が偏ってしまうことの解消にもつながるのではと考えています。それにより従業員のQoL向上や、業界のイメージアップにつながると考えています」


③「公益社団法人鹿児島県特産品協会」事業部事業部長 遠矢喬志氏

「鹿児島県特産品協会は、県内の特産品振興と販路拡大などの業務を行っています。コロナ禍で県内外での物産展やイベントが中止になり、特産品の販路に影響が出たことで、県内事業者の在庫増加や売上減少が起こってしまいました。そこで県内業者の支援のため、感染リスクを冒さない形で購入できるネットショップのリニューアルを決めました。リニューアル前後を比べるとアクセス数は2~2.5倍ほど、販売も1.5~2倍ほどに増えています。鹿児島県特産品協会がネットショップをはじめることで、県内の事業者がネットショップをはじめるきっかけになればと考えています。また、リアルと通販で相乗効果を起こせるようにしていくのが大事だと考えています」

物販以外の活用も拡大


こうした事例についてGMOペパボの寺井秀明EC事業部部長は、「カラーミーショップ」は、豊富な拡張機能、電話やメールで丁寧なサポートが受けられるカスタマーサービスなど、多彩な機能とカスタマイズ性が特徴だと説明。ネットショップの新しい使い方として「カラーミーショップ」の幅広い決済方法の選択肢やデジタルコンテンツの販売が可能なことを生かし、寄付の受付や楽譜データの販売、アパレルの型紙データの販売など、これまでの「物販」にとどまらないショップ事例を紹介した。

今回のイベントについては、「リアルタイムでの視聴ができないため、アーカイブを公開してほしい」との問い合わせが多数寄せられていたとし、後日アーカイブ動画の公開を予定しているという。公開時はGMOペパボのSNSアカウントにてアナウンスするとしている。

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