今回のゲスト: 「巣鴨のお茶屋さん山年園」 有限会社山年園 代表取締役 塩原大輝氏 「ECの未来」へようこそ。ネットショップ運営代行のサヴァリがプロデュースする動画メディア「ECの未来」では、さまざまな対談を紹介しています。本連載では、対談動画の本編では紹介できなかった裏話や、私の私見を取り上げていきます。ユニークな取り組みをしているゲストの人柄も紹介します。
今回、「ECの未来」に登場したゲストは、巣鴨のお茶屋さん「山年園(やまねえん)」を運営する塩原大輝社長です。「山年園」は、健康茶やお茶漬けなどを販売する、楽天市場の有力店舗です。月商は1億円を下らないといいます。
今回の「ECの未来」では、山年園がECモールに広告費を多く投資することについて、詳しく掘り下げました。「山年園」では、母の日商戦に向けて、数百万円の広告投資を行ったということです。楽天市場内の「季節販促(ギフト)広告」やメルマガ広告などが中心だったそうです。
塩原社長の話を聞いて、「広告投資は努力と度胸」なのだという印象を受けました。
「努力」とは、EC運営のバックヤードをきっちりと構築することです。「山年園」はリピーターをつかむ商品力を持っており、商品点数の拡充にも余念なく取り組んでいます。だからこそ、コロナの影響で受注が増加しても、在庫切れを起こすことがないのです。
また、土日の発送にも対応できるようにしているそうです。塩原社長自らクレーム対応を行うなど、アフターサービスの充実にも取り組んでいます。
こうした、バックヤードの体制を確立できていることが、大きく広告投資しても、対応できる秘訣のようです。
広告投資は、(特にモールの場合)ある意味で博打の要素もあります。塩原社長は「広告の分析は、苦手なのであえてしない」と話していました。「広告はいくら投資してもいいと思っている」とも話しています。長年の経験から、数百万円の広告投資をしても、大きな失敗にはならないという確信を持っているからこそできることだそうです。
塩原社長は、「一定の期間中は、どこを見ても『山年園』になるよう、広告の“面戦略”を立てている」とも話していました。「当社で実施している広告戦略は、必ずしも他社で通用しない」とも言っています。
同社では、ちょうど決算期前に、「母の日」などのギフト商戦が来ることが多いのだそうです。年間の利益がある程度見える状態でギフト商戦を迎えるため、適切な広告費を決定しやすいとも話していました。
「山年園」では、綿密に計算したうえで、最後は度胸に頼る広告運用をしているようです。こうした点が、大きな売り上げを挙げる決め手なのかもしれません。まねできそうで、簡単にはまねできないモデルと言えそうです。
#32はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=5Dl2D0UyCxo
動画メディア「ECの未来」とは・・・ワイシャツのECサイト「ozie(オジエ)」を運営する柳田敏正社長がMCを務める、対談形式のラジオ風動画メディア。毎回、ネットショップの店長やECのコンサルタントをゲストに迎え、柳田氏がゲストの独自の取り組みについて掘り下げている。