2020.06.15

【プロの落語家に聞く!商いの心構え】第5回「“好きなこと”を発信するのが大事」

落語家の林家はな平さん


EC事業者にとって「いかにファンを作るか」は重要な課題です。ファン作りに成功すれば、収益が安定化するだけでなく、口コミによる拡散も期待できます。本連載では、噺家(落語家)の林家正蔵師匠の弟子で、多数の落語会を自ら企画・開催し、ファン作りを日々行っている林家はな平さんに、ネットショップに役立つ「ファンづくりのための情報発信」について聞きます。


第5回「“好きなこと”を発信するのが大事」


Q.前回はキャラづくりの秘訣として、自分の「ニン」を見つける、ということを教えていただきましたが、キャラクター作りの難しさの一つに、「継続」があると思います。SNSで「いいね」をもらえるキャラクターを演じることができていても、途中で「いいね」の反応が少なくなることもあると思います。ぶれずに続けるべきでしょうか。途中でキャラクターを変えても、ファンは離れないものでしょうか。


「継続は力なり」という言葉がありますが、継続することは難しいです。キャラクターを演じ続けていても、反応が少ないことは多々あります。そういう時に、思い切って方向転換することは大いにありだと思います。そのキャラが自分に合っていなかったのかもしれません。

落語家にも、途中でキャラ変更をする人は結構います。お酒好きを押し出したり、旅好きを押し出したり、いろんなことを自分のキャラにひも付けて、次から次に変えて行く人です。これはとても良いことだと思います。だけど、変えてはいけないのが、「好きなことを発信する」というスタンスだと思います。

欲を見せず、「好きだから一つのことを語っている」というスタンスがあれば、自ずとお客さんは興味を持つんじゃないかと考えています。

ユーチューブなどでも、好きなことを発信している人をよく見ます。本当に好きなことを発信している人を見ると、こちらも興味を持ったりします。好きなことを、楽しそうに発信していると、見ている人もとても興味をそそられてしまうものなのです。「好きだから」という心を常に持っていれば、キャラや方向性を変えても良いと私は考えます。

私は「唐揚げ好き」というキャラクターを主に発信していますが、焼酎が好きだったり、音楽が好きだったり、他にも趣味はもちろんあります。以前ツイッターで焼酎の好きな銘柄の話を持ち出して、さらにブログに「お酒と落語」ついて書いていたら、ある酒屋さんからお仕事を頂けたということもありました。

もし私が「唐揚げ好き」のみに固執して、そのキャラしか出していなかったらこういうことは起きなかったことでしょう。だからこそ、好きだと思ったら、どんどん方向性が変わっても発信して行けば良いと思います。




【林家はな平<プロフィール>】
1984年福岡県生まれ。2007年3月に大学を卒業後、九代目林家正蔵に入門。2011年11月 二ツ目昇進。現在、東京蒲田で開催の「はな平のワンマン」を中心に、都内はもちろん全国各地で公演中。地元福岡でも精力的に活動中。東京都立六本木高等学校では、「落語」授業特別講師も務めている。学習院大学落語研究会顧問。NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」、NHK「立川志らくの演芸図鑑」など、テレビ番組にも出演多数。Twitterアカウント:@Humbug1984

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