2020.06.16

コロナで顕在化した在庫問題!売上を増やし在庫を減らす新手法とは? 第1回「小売在庫過多は、単なる“思い込み”が原因だった」


AIでも需要予測はなかなか当たらない


何故でしょうか。それは、社会では条件がほんの少し変わるだけで結果が大きく変わるからです(いわゆるカオス理論)。

例えば、優秀な従業員でも朝から夫婦喧嘩をしていたら、その日は気が乗らなくていつものようなパフォーマンスを発揮できなくなることがありますよね。いわゆる「風が吹けば桶屋が儲かる」とか「バタフライエフェクト」と呼ばれる事象です。

予測に影響を与える条件について考えてみてください。

・競合店の値下げ/欠品
・想定外の悪天候
・販売員の気分

などです。このように条件は常に不安定なので、予測は現実から大きく乖離します。別の言い方をすると、AIにこうした条件に則って正確な予測をさせるだけのデータセットは存在しないのです。

では、在庫問題を解決するにはどうすればいいのでしょうか。ヒントは意外なところにありました。

在庫ビジネスにおいては、次のような「常識」「定説」があります。

・欠品を減らさないと売り上げは増えない
・ヒット商品を増やさないと売り上げは増えない

これらに従うと、売り上げを増やすにはヒット商品が必要で、ヒット商品をつくるために取り扱う商品数(SKU)を増やさなければならなくなります。すると、どうしても在庫は増えてしまいます。

ところが、実はこの2つは単なる思い込みに過ぎないのです。

つまり、

・欠品が起きても売り上げは増やすことができる
・ヒット商品に頼らずとも売り上げは増やすことができる

という手法があるのです。こうすれば余分な在庫は増えないですよね。

それが、フルカイテンが提唱している在庫実行管理(IEM = Inventory Execution Management)です。

次回は、在庫問題を根本から解決する在庫実行管理(IEM)について詳しくお伝えします。



【著者プロフィール】


フルカイテン株式会社 
代表取締役 瀬川直寛(セガワ・ナオヒロ)

売上増加と在庫削減の両立を実現するシステム「FULL KAITEN」を開発し、クラウドサービスとして大手小売企業や楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー受賞店舗などに提供。 EC経営者として倒産危機を3度乗り越えた経験を踏まえた理論・考え方は、多くの企業から高く評価されており、「FULL KAITEN」にも多くの問い合わせが寄せられている。

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