本連載では、米国Amazonに日本製の食器を出品し、年商数千万円を売り上げるUnion marc(ユニオンマルク)の東あゆみ社長が、米Amazonの出品のメリットやデメリットについて解説します。東社長の体験をもとに、ローコストで越境ECに取り組む現場の声をお届けします。
「日本製」のブランド力
米国のお客さまには、日本製の品質を信頼して購入してくれる人が多いです。送料や商品の価格が、他国の類似商品より高くても、日本製の品質、価値に期待をかけて購入してくれるのです。
一方で、日本製品を真似して製造された他国製品が多いのも現状です。商品やパッケージに「日本製」と明記されている事は、米アマゾンで販売するうえで、高いポイントになると思います。
当社が販売する美濃焼の食器などは、商品によって日本製の記載があるものと、記載のないものに分かれます。
「説明文には『日本製』と書いてあるのに、商品自体には『Made in Japan』などの記載がされていないから、実際はどこで作られたものなのか分からない」というお声も、多数いただきました。
日本を感じさせるのが付加価値
FBA(アマゾンの物流サービス)を使って商品を販売していると、配送も接客も、現地のアマゾンが行ってくれます。お客さまは、米国内で製造・販売されている商品を購入したのと同じ、対応と配送スピードを体験できます。
本来もっと時間がかかるはずの海外からの配送が、FBAで短縮されると、お客さまにとっては、せっかく「日本製」の商品を買っても、ワクワクする待ち時間を実感することができないのかもしれません。
購入時の明細も送り状も全て英語です。商品説明もすべて現地に合わせて書いていますので、ある意味では、現地に溶け込みすぎているのかもしれません。
一方、出品者出荷で日本から安価な送料でお届けすると、配送スピードとしては2~3週間以上かかるのですが、その待ち時間に対してのクレームはほとんどありません。「日本から輸入をしている」というワクワク感があるからこそ、お客さまのクレームにつながらなかったのではないかと、後から気が付きました。
つまり、あえて日本語のパッケージのまま送ることも、付加価値につながるのではないか思います。商品そのものだけでなく、日本を感じさせるような何かを同梱して配送すると、喜んでいただけるケースもあります。
<著者プロフィール>
東(あづま)あゆみ氏
1983年生まれ。岐阜県出身。2006年から楽天市場をメインとした店舗運営を行う。楽天市場では、月間MVP店舗を表彰する「ショップ・オブ・ザ・マンス」も獲得。自社サイト、ヤフーショッピング、アマゾン、越境EC出店を経験。2018年にユニオンマルクを設立し、越境EC事業などを継承。2020年現在はネットショップの運営代行事業を展開している。日々の業務で手が回らないという店舗のサポートも行っている。
株式会社 Union marc (ユニオンマルク)
https://unionmarc.commail:info@unionmarc.com
tel:052-908-1112